トリメタジジン(Trimetazidine)、ハイポクセン(Hypoxen)とL-カルニチン(L-Carnitine)

ワリエワ、検体から複数の治療薬検出
すごく後味の悪い事件ですが、ワリエワが飲んでいたとされる3つの薬物について調べてみました。以下は、記事の抜粋です。


北京冬季五輪に出場しているフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva)について、ニューヨーク・タイムズが2月15日、今回のドーピング騒動につながった検体から心臓の治療に使う3種類の薬物が検出されていたと報じた。

ワリエワは昨年12月の検査で禁止薬物のトリメタジジン(Trimetazidine)が検出されたことを五輪開幕後に知らされた。トリメタジジンは狭心症の治療に用いられる一方、持久力を高める効果のある薬物だが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日にワリエワの五輪出場継続を容認。

ニューヨーク・タイムズは、ワリエワの検体にはトリメタジジンの他にも、世界反ドーピング機関(WADA)が禁止薬物に指定していない心臓の治療薬ハイポクセン(Hypoxen)とL-カルニチン(L-Carnitine)が含まれていたと報じた。

国際オリンピック委員会(IOC)幹部のDenis Oswald氏によれば、ワリエワは聴聞会で、祖父の薬が誤って体内に入ったことが陽性反応の原因だと主張したという。ロシアメディアは、心臓の治療でトリメタジジンを服用する祖父とワリエワが同じグラスを使ったようだと伝えている。


トリメタジジンは、日本でもパスタレルFの商品名で国内販売されていますが、適応とされる狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)などの治療にはあまり使われていません。血管拡張作用、心仕事量減少作用、副血行路形成促進作用、心筋代謝改善作用、心筋保護作用、血小板凝集抑制作用などが報告されており、ミトコンドリア酵素の阻害などのメカニズムが報告されています。半減期11.5時間とありますので、長く効果が続くようです。副作用に「食欲不振」とあるので選手をスリムに保つには有効化もしれません。

「ハイポキセン」も、ミトコンドリアに働いて運動時に産生される乳酸の代謝を助けて疲労感を減らすという報告があります(論文をみる)。、筋疲労が起きにくい、あるいは疲労回復が早いという効果が。「L-カルニチン」に関しては、エネルギーを効率よく生み出すのを助け、疲労物質が筋肉にたまるのを防ぎ筋疲労を起こしにくくするそうです。

L -カルニチンは,1905年,ロシアの研究者Gulewitschらによって肉汁中から発見され,「やせ薬」とも呼ばれてきたそうです。脂肪酸がミトコンドリアでATP合成基質として利用できるのに必要とされています。これが、脂肪を燃やす「やせ薬」と呼ばれた理由だと思われます。脂肪酸は心筋のエネルギー基質であると同時にミトコンドリアに作用して筋細胞の細胞死を誘導する毒性も発揮するとされています。 L -カルニチンにはこうした脂肪酸の毒性からミトコンドリアを保護する作用もあるとされます。 これらの理由で、ダイエッターやアスリートに愛用されているようです。

大人が自分の意思で飲むのは良い(?)としても、子供に飲ませるのは児童虐待だと思います。

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