以下は、記事の抜粋です。
米カリフォルニア州は11月8日の大統領選と同時に実施した住民投票で、マリファナの娯楽目的での使用の合法化を承認した。 9日発表された投票結果は賛成が56%、反対が44%。
マリファナの娯楽目的使用の合法化を巡って今回、5つの州で住民投票が実施され、この中ではカリフォルニア州が最大の州。同州が医療用のマリファナ使用を合法化したのは1996年で、米国の州で最も早かった。
娯楽目的のマリファナ使用は既に2012年にワシントン州とコロラド州で合法化され、その後オレゴン州、アラスカ州、コロンビア特別区でも認められた。
日本では、10月末に大麻取締法違反の疑いで元女優の高木沙耶容疑者が逮捕されました。このように、日本では大麻の所持や譲渡、栽培、輸入などの行為は厳しく禁止されています。一方、上の記事のように欧米では大麻「合法化」が進んでいるようです。
ただ、「医療マリファナ」のサイトによると、「医療用のマリファナ使用が合法化」されていると言っても、マリファナはアメリカの「連邦法」の規制物質法(麻薬取締局管轄)により「もっとも乱用性が高く、医療用途がなく、安全性に欠如した物質」に分類されているため、医師がマリファナを患者に処方するのは難しいという、不思議な状況も存在するようです。
同サイトによると、医療用マリファナを使用している医師は下のように話しています。
「2002年に発表された英国薬物乱用諮問委員会の報告書には、『カンナビス(マリファナの学名)の長期使用と精神病に明確な因果関係はない』と明記されています。また依存に関しても、全米科学アカデミー医学研究所が、『カンナビス使用者の10%が依存症状を示す』と報告しています。これに較べて、アルコールは15%、コカインは17%、タバコにいたっては32%。要するに、タバコやお酒よりカンナビスの方が依存度は低いのです。
カンナビスは、たとえ過剰摂取しても極めて有害、致命的ということもありません。怒りや暴力を誘発するというのは長年培われたイメージで、実際には逆に、大多数の人が緊張がほどけ寛いだ精神状態になります。ただし、脳の発達期である18歳未満の青少年は、重症を患っていない限り服用すべきではないし、妊婦も控えることが推奨されます。もちろん、カンナビスが精神に影響を及ぼしている状態で運転しては絶対にいけません。」
同記事によると、マリファナには多くの種類の生理活性物質が含まれます。(その1つである)THC(テトラヒドロカンナビノール)は精神活性作用があります。吸うと、リラックスしたり多幸感を抱くのはこのためだそうです。成分では他に、精神活性作用のないCBD(カンナビジオール)の効能が近年注目されています。
THCは痛みの緩和や痙攣、吐き気の抑制、不眠症に、CBDはてんかん(特に小児てんかん)、痙攣、炎症の緩和抑制や、免疫の調整、精神バランスに薬効があるとされています。
医療用の使用だけが合法化されていると、娯楽使用目的のブラックマーケットなどの問題で医師が使用を躊躇することが多く、アメリカでも臨床応用やその研究が遅れているようですので、今回の娯楽使用の合法化は、医療的にも大きなブレークスルーになる可能性があると思います。
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