ブースター接種、オミクロン株に対する発症・入院予防効果は?

ブースター接種、オミクロン株に対する発症・入院予防効果は?
以下は、記事の抜粋です。


オミクロン株に対するワクチンの有効性について、発症予防効果はデルタ株と比較して低く、投与後の期間に応じてさらに低下する一方で、入院予防効果は2回目接種後6ヵ月以降も約50%となり、3回目接種により約90%まで高まるというデータが報告された。

英国で2021年11月27日~12月24日までに検査を受けたオミクロン株感染20万4,036例とデルタ株感染16万9,888例のデータを使用している。

ファイザー製、モデルナ製、アストラゼネカ製の各社ワクチンごとの2回目および3回目接種後(交互接種含む)の発症予防効果は以下の通り

2回目接種後
・ファイザー製またはモデルナ製ワクチンのオミクロン株に対する発症予防効果は2回目投与2~4週間後には約60~70%だったが徐々に低下し、20週間後には約10%だった。
3回目接種後
・1~2回目をファイザー製、3回目にファイザー製またはモデルナ製接種の場合、オミクロン株に対する発症予防効果は3回目投与2~4週後に約65~75%となり、5~9週間後には約55~70%だった。

ワクチン接種状況ごとの、陽性後14日以内の救急受診・入院に対するハザード比(HR)は以下の通り(未接種/1回目のワクチン接種から<28日のHR1.00を対照として):

1回目のワクチン接種から≧28日
オミクロン株:HR1.02(95%CI:0.72~1.44)/デルタ株:HR 0.42(95%CI:0.36~0.48)
2回目のワクチン接種から≧14日
オミクロン株:HR0.35(95%CI:0.29~0.43)/デルタ株:HR 0.18(95%CI:0.17~0.19)
3回目のワクチン接種から≧14日
オミクロン株:HR0.19(95%CI:0.15~0.23)/デルタ株:HR 0.15(95%CI:0.13~0.16)

上記より、オミクロン株感染で入院するリスクは、ワクチン接種を受けていない人と比較して、ワクチンを2回接種した人の方が65%低く、3回のワクチン接種を受けた人の間ではさらに低かった(81%)。なお、これらの分析において併存疾患や重症度は反映されていないことに注意が必要。


抜粋するときにアストラゼネカ製ワクチンのデータは飛ばしましたが、オミクロン株に対する発症予防効果は、ファイザー製またはモデルナ製ワクチンに比べて劣るようですので、オミクロン株についても、ファイザーとモデルナを選んだ日本の選択は正しかったと思います。

ファイザーのCEOは1月10日、オミクロン株に対応した新たな同社製ワクチンを「3月中に準備できる」「実際に必要になるかどうかは分からないが、既に一定量の生産を始めている」と述べたそうですが、デルタ株を抑え込んだワクチンと日本式感染対策がブースター接種でオミクロン株にどの程度有効かでオミクロン対応ワクチンの必要性がある程度わかると思います。

いずれにしても、将来はデルタ株やオミクロン株など遺伝的にかなり離れた変異株数種に対する混合ワクチンをインフルエンザワクチンと同じように毎年打つことになると思います。

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