顔立ちと知性や精神疾患には関連性がなく、顔で賢さは判断できない。

顔で賢さは判断できない。知性と顔立ちには関連性がないことが遺伝学研究で明らかに
以下は、記事の抜粋です。


ヨーロッパ人の祖先を持つおよそ2万人を対象としたゲノムワイド関連解析が実施された。その結果、顔立ちや脳の形状に影響を与える遺伝子座が特定されたが、それらは認知能力とはまったく無関係だった。
研究グループが試みたのは、同じ手法を用いて、顔立ちだけでなく、脳の形状に影響する遺伝子を特定することだ。そのために、UKバイオバンクのデータベースから2万人近くの脳のMRI画像と遺伝情報を入手し、シワが刻まれたクルミのような脳の形状と遺伝子との関係が分析された。

この結果明らかになったのは、脳の形状に関係している472か所の遺伝子領域だ。そのうちの76か所は、以前明らかになった顔の形状に関係する遺伝子だったという。なお、そうした脳と顔の形状に影響する遺伝子は、胚の遺伝子活動を制御するゲノム領域にたくさんあったとのこと。

脳と顔の発達がセットで進むことを考えれば、遺伝子の重複は合理的なことだが、あまりにも複雑で、人間の多様性にこれほど幅広い影響を与えるとは予想外だったという。

同じくらい重要なのが、顔立ちと知性の関係性がこの研究によって見つからなかったことだ。脳と顔の形状を左右する遺伝子が重複していた一方で、それらは行動や認知に関係する遺伝子とまったく関係がなかったのだ。つまり、顔の作りからその人の行動を予測することなどできないということだ。

また顔の作りから統合失調症や双極性障害といった精神疾患にかかる可能性を読み取ることもできないという。


元論文のタイトルは、”Shared heritability of human face and brain shape(人間の顔と脳の形の共有された遺伝可能性)”です(論文をみる)。

興味深いのは、顔と脳の形との間に明確な遺伝的関連性(重複遺伝子座位)は発見されたが、この重複は、その個人の行動認知特性とはほとんど完全に無関係だという、「発見できなかったこと」がニュースとして大きく取り上げられていることです。いずれにしても、外見でヒトの賢さを判断するのは間違いのようです。

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