以下は、記事の抜粋です。
神戸大医学研究科が、隣接する医学部付属病院とともに敷地内全面禁煙を掲げる一方で、建物内に設けていた「喫煙室」を10月に閉鎖する。昨年10月の設置以来、喫煙防止対策を進める団体や学会から批判を浴びながらも存続させてきたが、受動喫煙防止を目的とした兵庫県の条例制定の動きなどが影響、閉鎖が決まった。
同病院は、04年に敷地内を禁煙にした。医学研究科も08年に敷地内禁煙の方針を決めたが、敷地内や周辺で吸い殻のポイ捨てなどが後を絶たず、吸煙装置を備えた「喫煙が可能なリフレッシュルーム」を暫定的に設置した。
これに対し、保健医療従事者らでつくる兵庫県喫煙問題研究会(現・県タバコフリー協会)や日本禁煙学会は「患者には禁煙を指導しながら、職員に喫煙を認めるのは欺瞞的」と批判。施設の撤去を求めていたが、大学側は「周辺住民に迷惑を掛けないためで、あくまでも暫定措置」として存続させていた。
しかし、県の「受動喫煙防止対策検討委員会」が7月、公共施設などで条例による屋内禁煙の義務付けが必要とする報告書を知事に提出したことで状況が一変。医学研究科教授会が8月にあらためて対応を協議し、施設の閉鎖を了承した。
施設管理を担当する医学部事務部は「県の条例化の取り組みに協力しなければならないと考えた」などと閉鎖理由を説明している。今回の決定について、県タバコフリー協会副会長の薗医師は「医療関係機関として本来あるべき姿になった。ただ、条例化の取り組みを受けて決めるというのは情けない気がする」と話した。
医学研究科にも、「リフレッシュルーム」の存在に反対する教員は多くいました。また、現研究科長も病院長も、できるだけ早く本施設を閉鎖あるいは撤去したいと考えておられたはずです。しかし、前研究科長の肝入りで作られたばかりの本施設を閉鎖することは、諸般の事情で難しかったと思われます。兵庫県が条例制定するという情報が良いタイミングで入ってきたので、再検討がスムーズに行ったのでしょう。「情けない」と言われれば確かにそうだと思います。
ただ、記事にも書かれている「敷地内や周辺での吸い殻のポイ捨ての問題」は未解決のままです。そもそも、習慣性や依存性のあるニコチンを含む嗜好品の流通を国が認め、その税金を財務省があてにしている体制が問題です。小宮山大臣に頑張っていただき、タバコ税の値上げ、パッケージへの恐怖画像導入、飲食店など公共の場での禁煙、喫煙者の採用制限などをドンドン導入して欲しいと思います。鉢呂さんのように、記者クラブメディアと官僚の機嫌を損ねて失脚しないことを祈ります。
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