大阪府の人工呼吸器装着件数は全国で一番多く(東京都の約2倍)、重症病床は実質8割埋まり、限界見える。

重症病床は実質8割埋まり、限界見える大阪府
倉原優氏(近畿中央呼吸器センター)が書かれた11月30日の専門家向け記事です。重要な情報ですので抜粋して一部を紹介します。私が11月27日に書いたことを裏付けるものです。大阪の状況は本当に限界が見えています。「Go To」から外すのは当然です。


第2波までは、基礎疾患のある高齢者のクラスターが発生しても、その多くは悪化することなく施設に帰ることができました。しかし、今回の第3波は、両肺全体にすりガラス陰影を呈したやや若年層(50~70歳代)の肺炎が多く、想定よりも高い割合(3~5割)で酸素療法(吸入)が適用されている状況です。中国で初期から報告されていたように、コントロール不良の糖尿病、循環器疾患、肥満は重症化をもたらす強いリスク因子であると痛感しています。

挿管・人工呼吸管理した患者さんは重症病床へ転院することになりますが、2020年11月28日時点で、大阪府の人工呼吸器装着件数は第1波の水準を超え、全国で一番多いという状況にあります(東京都の約2倍)(下図)。重症病床稼働率は5割ぐらいの水準ですが、実運用ベースでみると約8割の水準に到達しています。重症病床は常に全床空けているわけではなく、必要に応じてCOVID-19用に転用できるようにしているものもあり、その中には現在、他疾患の患者が使用していたり、物的・人的にCOVID-19患者の受け入れ体制がすぐ整わなかったりするベッドもあります。なので、最大稼働病床数を分母として計算すると5割でも、実際にすぐ受け入れられる病床で計算すると既に8割ほど埋まっているということになります。

大阪府の人工呼吸器装着患者数(出典:ECMONET

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