大阪のコロナの重症患者用のベッドはほとんど埋まっている。

大阪府の重症患者数が100人を超えました。24日に大阪府対策本部会議の資料が公表されています。この資料にある下の表によると、確保予定の重症病床は206床ですが、実際に11月23日の時点で確保できているのは118床しかありません。このうち既に98床(83.1%)が埋まっています。公表された47.6%は、現在救急や定期手術に使われているベッドをあてにした架空の数字です。25日には重症患者が107名になっているので、今はもう収容できなくなっているかもしれません。行政が慌てるのは当然です。


以下は、昨日(11月26日)にFBに投稿された岡 秀昭氏の記事の全文です。大阪ではないかもしれませんが、現場のひっ迫した状況が良く伝わってきます。


現場の医師から一般の方へ
あわよくば失礼承知で政治家の方へ (百聞は一見にしかず)

なんとか率とかいう高いところからの数字眺めではなく、現場をみている感覚からの報告。

今まではコロナですか?という相談はほとんど別の病気、診断であることが多かったのですが、いよいよその相談が、あるいは偶然受診した熱や肺炎の患者さんがコロナであるという状況です。そのくらい流行が広がっています。もう誰でも普通にかかる病気になりました。

そこに他の医療機関で診断された転院入院依頼が今まで以上にあり、今までになく病床が埋まっています。

届出病床数からすればまだ空床あるのですが、このベッド数というのは行政側から要求されているもので、現場からすると実際に診れるのか甚だ疑問な病床数です。うちの場合、今までは専門の医師で対応していましたが、最近は非専門の内科のみならず、手術が専門の外科医にも対応してもらってます。つまり私たち専門の医師だけでは現在の病床数でも限度を迎えており、コロナ対応で他の専門医の応援をうけることですでに診療に支障が出はじめているのです。大学病院では高度な医療を提供する本来の役割がありますが、これではがんや脳卒中、心臓病のような大きな死因となる病気の診断が遅れ治療も滞ることになります。飛行機あってもパイロットが足らないのに、不慣れなパイロットまで動員しているのに、飛行機(しかも本当に飛ぶか未整備)はまだ余ってるから大丈夫というのが高いところからみている政治判断なのです。これ安全ですか?

入院する症例も以前は確かに風邪みたいな軽症が多かったのですが、今は半数近くが酸素を外から吸わせないといけない呼吸不全になってしまう方です。これは定義によっては中の上以上の重さになります。若い人には風邪のイメージですが、1週間も熱が続いて呼吸不全にこんな頻度でなる風邪は見たことないですね。コロナただの風邪説や、コロナが弱くなったなんていう変異説は真にウケない方がいいですよ。若い人は本当に風邪のように治り大丈夫でも、一人かかると家族内の感染がよく起きますので大切な家族を苦しめ、最悪、殺しかねません。そしてたくさんの人が感染してしまうと一部重症化してしまい、それは中小河川のようにあっという間にあまりにも容易に現場に氾濫をもたらしそうなると被害をより甚大にします。これがこのウイルス感染症の恐ろしさです。仮に個人は大丈夫だとしても集団に及ぶと一気に危機的になる。やっぱりこのウイルスはSARS 重症呼吸器症候群の仲間ですね。

かかっても特効薬がある?アビガンなんて効く保証はないですよ。アビガンより研究が進んでいたレムデシビルという薬もWHOは効果ないので投与を勧めないと言っていますし、映画のような回復した患者の血清を投与して劇的に回復という夢も最近の研究報告で夢消えましたね。唯一ステロイド剤だけが重い人の死亡率を下げることがわかっていて、重くなったら投与すると、一部は良くなりますが、重症でも自然に良くなる人もいるので正直特効薬でもないですね。つまり罹ったら自然に治るのをお祈りして、重くなってしまったらステロイド入れて回復を期待する。それしかできない病気です。だから自然免疫とか期待しないで罹らないのが一番です。ワクチン 期待したいですが、まだよくわからないのが実情で、現時点でこの程度の報告では特に副反応(副作用)に心配が拭えません。少なくとも私は実用化されてもしばらく打たず様子みますね。どっちにしてもまだ打てませんから耐え忍ばねばいけませんね。

さらに患者に麻酔をかけ、口にチューブをいれて機械に繋いで肺の代用をして呼吸をサポートしなければいけない人工呼吸器以上の重症例への治療になると1人に看護師、技師、医師など多数の人員でケアが必要で24時間気が抜けません。それが長ければ数週間続くのです。それを伝染しないよう防護具付け精神を集中しながらやるのです。無症状者からも感染しうる感染症に、院内感染が起きたら悪という風評被害にも怯えながら。

ECMO?うーん、これはもっと大変。体の外に血液出して酸素を血に無理やり溶かし込んで全身に戻す心臓と肺の代用をする自然回復するまでの生命維持装置です。これやれば助かるというか、、、昨日の日本シリーズ 9回表の巨人の状態なのに、逆転を神様に期待するくらいの戦況で、その時間稼ぎですかね。感覚としては。

かえってわかりにくいでしょうか。

これらの集中治療と呼ばれる重症治療は医師やスタッフの数がいれば誰でもいいわけではなく、トレーニングと経験を積んでいるものが当たらねばならず、医師免許があれば誰でもできるわけではありません。その人材はもともと限られています。ちなみに私は感染症の専門家ですが、この集中治療については満足できる管理はできません。このまま重症患者が溢れれば従来は助けられる命も諦める、命の選択に現場も家族も迫られます。

いずれにしても、届出病床何%しかまだ埋まってないから、人工呼吸器が足りてるから、まだゆとりあるなんていう高いところから書類の数字を眺めてるだけではこの切迫感はわからないはずです。

経済が、とか言いますが、経済の専門家じゃないのでよくわかりませんが、感染抑えながら経済を回すのはわかりますが、感染広がりながら回ることはないんじゃないですかね。気持ちはわかりますが、現実から目を逸らさずに一部から嫌われても政治家にはまずは感染抑制に面舵いっぱいに切ってもらうしかないのではないでしょうか。そう現場の感染対策も色々なクレームが来ますが、病院を守るため、嫌われる勇気も必要な仕事です(だからわたしは感染症の診断治療の方が好みです)。

お分かりのようにまだ3波のピークとも言えず、このまま無策では今後1ー2週間でさらにピークは高まり、それに遅れて、1週間後に重症者がピークになります。今の医療体制で限界ですので、つまり2ー3週間後に医療崩壊を迎えます。

院内感染が起き病院機能が麻痺するともっと早いかもしれませんね。12月中旬から年末に緊急事態宣言になると、年末商戦というくらいの商売のかきいれどきにダメージ大となりますので結局、経済も崩壊しませんか。

私は不安を煽ることを目的としていません。

これはこのまま今のままの場合の話。もう波は起きてしまいましたが、波の高さピークはまだ変えられます。だから今すぐの対策で2ー3週間後のピークを抑える必要があります。繰り返しますが、現場感覚では、もう今が限界です。goto のどこの都市を入れるかだけにこんな時間かけてるゆとりはないですよ。

ついでに、テレビに平日昼間に出てる専門家の治療や検査に関するコメントには気をつけてくださいね。この忙しい状況でそこに出れるということは、実際に患者をみていない証拠のように思います。

最後に、この感染症は今の数字を眺めてから対処しては後手にまわりますよ。1、2波の経験からある程度の予測がつくようになっていますので、現場の感覚を参考に早めに対策を行って欲しいです。現場だって旅行にも飲み会にも行きたいですよ。でもそれを制限して我慢して、世界中でもロックダウンしたり、行動制限しているのはそれなりの怖さのあるウイルスだからです。

根拠のない楽観論に流れず正しく恐れてまずはしっかり感染を抑えて、旅行に行けるようになると良いですね。あと、お願いですが、検査バンバンやれというワイドショー的報道ありますが、これ以上の感染拡大すると軽症の方が現場に検査を求めてくるのは正直困りますのでまずはいきなり受診せず電話相談をしましょう。

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