オスマウスの皮膚細胞⇒IPS細胞⇒卵子に変換し「オス同士の子供」を作ったという報告

将来は男性カップルが子を持てる可能性も…雄マウスのiPS細胞から卵子の作製に成功
以下は、記事の抜粋です。


雄のマウスのiPS細胞から卵子を作って別の雄マウスの精子と受精させ、子どものマウスを誕生させることに成功したと、林克彦・大阪大教授が明らかにした。哺乳類の雄のiPS細胞から卵子を作ったのは世界初という。人での研究が進めば、男性同士のカップルや、不妊に悩む女性も子どもを持てるようになる可能性があり、議論を呼びそうだ。

林教授によると、阪大や九州大などのチームの成果で、3月8日に会議で成果を発表した。

マウスや人の細胞には、性別を決める「X」と「Y」の二つの性染色体があり、雄(男性)はXとYを各1本、雌(女性)はXを2本持つ。

林教授らは、Y染色体が加齢に伴って消える場合があることに着目した。雄マウスの尻尾から作ったiPS細胞を繰り返し培養し、Y染色体が消失してX染色体1本だけになった細胞を選別。その後、特殊な化合物を用いてX染色体を2本に複製した。この細胞から卵子を作り、別の雄マウスの精子と受精させてできた受精卵630個を複数の雌マウスの子宮に移植すると、7匹のマウスが誕生した。いずれも生殖能力があり、特に異常は認められなかったという。

これまでヒトのiPS細胞を使った研究では、女性から卵子のもとになる細胞は作られているが、卵子まで出来ていない。寿命がマウスよりはるかに長いヒトの卵子を作るには、長期間にわたって培養する必要があり、異常が発生しやすいという。林教授は「ヒトの細胞から卵子を作るには、今後10年程度かかるだろう。男性同士で子どもを持つことも理論的には可能になるが、今回の研究成果をヒトで応用していいかどうかには社会的な議論が必要だ」と話す。


この研究が示すことは、今のiPS細胞技術を使えば、卵子などのほぼあらゆる細胞を作ることができるところまで技術が進んだということと、マウスではできてもヒトでは技術的にも難しいことが多いこと、ヒトでは技術以外の問題もあるということです。

あと、女性同士の場合はY染色体がないので、この方法だと女性の子供しかできないなと思いました。不妊は確かに大きな問題かもしれませんが、ここまでして子供作る社会的意義はなく、この研究意義よりも科学的好奇心のためのものだと思います。

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