馬をムチでたたいても速くなったり制御しやすくなったりはしない

馬をムチでたたいても速くなったり制御しやすくなったりはしない
以下は、記事の抜粋です。


競馬で最終コーナーを回ったあと、騎手が「もっと速度を上げてほしい」「もっと機敏に動いてほしい」という時に、乗っている馬の尻をムチで何度もたたく場面がよく見られます。しかし「実際はムチを打っても馬の速度が上がったり制御しやすくなったりすることはない」という研究結果が発表されました。

ムチを使って馬を制御するという技術は古来より応用されており、英国競馬統括機構は「ムチの使用は、馬と騎手の安全のために必要である」「コース上で馬と馬がぶつからないようにするための制御がしやすくなる」と主張しています。

しかし、国際競馬統括機関連盟は、競馬を完全なスポーツとするためには動物福祉も視野に入れるべきだとしています。2020年2月29日にサウジアラビアで開催されたサウジカップでは、2着のミッドナイトビズーに騎乗したマイク・スミス騎手が鞭の過剰使用で獲得賞金の60%にあたる21万ドル(当時のレートで約2310万円)を制裁金として没収されました。

また、日本では2011年に「鞭の使用に関するガイドライン」が国際協約にのっとって制定され、ムチの過剰使用が騎手の制裁対象となっています。

南オーストラリア大学のキリリー・トンプソン氏らの研究チームが「ムチの使用がレースの展開にどう影響を及ぼすか」を調査した結果、馬の制御向上や馬の速度上昇、騎手の安全性向上と、ムチの使用との間には関連が見られなかったとのこと。

それどころか、レース中にムチを打たれた馬は、ムチを打たれなかった馬と比較して転倒のリスクが7倍以上あったとのこと。このことから、研究チームは「ムチの使用は落馬の潜在的な危険因子の1つである」と結論付けています。

研究チームは「私たちの調査結果は、ムチを使うべきではないという国際競馬統括機関連盟の主張を科学的に裏付けるものです。社会的価値観の変化を考えると、ムチを打たないアプローチへの移行は、競馬運営を社会的に認められる形に依存する競馬業界の将来にとって不可欠であると考えています」と述べました。


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