四国人と関西人の遺伝子は、古来から日本列島に住む縄文人よりも渡来した漢民族の遺伝子に近い

渡来人は四国に多かった? ゲノムが明かす日本人ルーツ
以下は、記事の抜粋です。


各都道府県の50人のゲノム情報をもとに、その違いを可視化した。縄文人由来のゲノム成分が多い県は青色で、渡来人由来のゲノム成分が多い府県はオレンジ色で表示されている。縄文人由来のゲノム比率が他県と比べて極めて高い沖縄県は地図に含んでいない

私たち日本人は、縄文人の子孫が大陸から来た渡来人と混血することで生まれた。現代人のゲノムを解析したところ、47都道府県で縄文人由来と渡来人由来のゲノム比率が異なることがわかった。

東京大学の大橋順教授らは、ヤフーが2020年まで実施していた遺伝子検査サービスに集まったデータを解析した。1都道府県あたり50人のデータを解析したところ、沖縄県で縄文人由来のゲノム成分比率が非常に高く、逆に渡来人由来のゲノム成分が最も高かったのは滋賀県だった。沖縄県の次に縄文人由来のゲノム成分が高かったのは九州や東北だ。一方、渡来人由来のゲノム成分が高かったのは近畿と北陸、四国だった。特に四国は渡来人由来の比率が高い。なお、北海道は今回のデータにアイヌの人々が含まれていない。

以上の結果は、渡来人が朝鮮半島経由で九州北部に上陸したとする一般的な考え方とは食い違うように思える。上陸地点である九州北部よりも、列島中央部の近畿などの方が渡来人由来の成分が高いからだ。

近年の遺伝学や考古学の成果から、縄文人の子孫と渡来人の混血は数百~1000年ほどかけてゆっくりと進んだとみられている。弥生時代を通じて縄文人と渡来人が長い期間共存していたことが遺跡の調査などで判明している。今回の解析で見えた現代の日本列島に残る都道府県ごとの違いは、弥生時代の混血の過程で起こったまだ誰も知らない出来事を反映している可能性がある。


大橋氏らの発表タイトルは、「都道府県レベルでみた日本人の遺伝的集団構造~縄文人と渡来人の混血がもたらした本土日本人内の遺伝的異質性~」です(発表をみる)。

発表をみると、全ゲノムSNP遺伝子型データを解析する時に、渡来人のモデルとして中国・北京の漢民族の主成分分析を用いています(下の図)。また、本土人のクラスターから離れた琉球人を縄文人のモデルとしていることが分かります。結局、関西人の遺伝子は漢民族に近いという事のようです。

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