今のところ、メタ解析でも新型コロナウイルス肺炎に「効果あり」とされたのは、グルココルチコイド(ステロイド)だけ。死亡リスクを3.7%減らし、人工呼吸器リスクを3.1%減らす。

COVID-19に有効な薬剤は?RCT23報のメタ解析
以下は、記事の抜粋です。


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者への薬物治療の有効性について比較検討したところ、グルココルチコイド投与は標準治療と比べて、死亡率および人工呼吸器リスクを減少する可能性が示された。マックマスター大学のReed A. C. Siemieniuk氏らが、2020年7月20日時点で、米国CDCのCOVID-19試験結果データベースを基に、メタ解析を行い明らかにした。なお、有症状期間を短縮する可能性がある薬物治療として、ヒドロキシクロロキン、レムデシビル、ロピナビル・リトナビルが挙げられたが、著者は、「ほとんどの試験が小規模でエビデンスの質は低く、治療薬の有効性については確定できないままだ」と述べている。

2020年6月26日までに行われた23件の無作為化比較試験を包含しメタ解析が行われたが、試験が盲検化されていないというバイアスリスクのために、ほとんどの治療薬の比較に関するエビデンスの確実性は非常に低かった。

その中で唯一、グルココルチコイドによる治療は標準治療に比べ、死亡および人工呼吸器リスクを減少することに関してエビデンスが得られた。死亡リスクの群間差は37/1,000人(95%信頼区間[CI]:63~11/1,000人)、人工呼吸器リスクは同31/1,000人(47~9/1,000人)だった(いずれも中等度の確実性)

また、有症状期間を短縮する可能性があった治療薬(標準治療との比較において)は、ヒドロキシクロロキン(平均群間差:-4.5日、低度の確実性)、レムデシビル(-2.6日、中等度の確実性)、ロピナビル・リトナビル(-1.2日、低度の確実性)だった。

ヒドロキシクロロキンはその他の薬物治療と比べ、有害事象のリスクを増大する可能性が示された。レムデシビルは、おそらく投与を中断するに至る有害事象リスクは、実質的に増大しないと考えられることが示された。その他については、投与の中断に結びつく有害事象について解釈するだけの十分な患者が試験に組み込まれていなかった。


グルココルチコイドが有効といっても、効果は小さく、特効薬とよべるものはありません。今のところ、コロナに感染しないように気を付けるしかないようです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました