予想通り! 「人工甘味料で糖尿病リスク増加のネイチャー論文」に批判意見が噴出

人工甘味料が糖代謝を乱すとしたNature論文、専門家からは批判的意見が噴出
以下は、記事の抜粋です(太字はブログ著者による)。


先週、「人工甘味料の摂取によって血糖値が下がりにくくなり、糖代謝に異常を引き起こす(≒糖尿病の原因となり得る)」とした研究結果がNature誌に発表されました。海外では、この研究内容について多くの批判が挙がってきています。

Nature論文の内容は、マウスと人間に人工甘味料を与えたところ、いずれの場合でも糖尿病の原因となるような症状が見られたというものなのですが、詳しく調べてみると、どうも研究内容が著しく誇大的に報道されているようです。

今回の研究では、代表的な人工甘味料のうち、サッカリンとアスパルテーム、スクラロースの3種類を用いていますが、実際に耐糖能異常を示したのはサッカリンのみで、アスパルテームとスクラロースでは有意な差が見られていません。にも関わらず、論文のタイトルは “Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota” となっており、あたかも使用した人工甘味料の全てで差が見られたようなタイトルが付けられていることから、「これではミスリードを誘ってしまう」とする指摘がなされています。

この論文の主要部分はマウスを対象にしたもので、ヒトでの治験はわずか7名を対象にした、極めて小規模なものとなっています。その実験条件というのも、「コーラタイプの飲料なら1日あたり40缶」に相当するものとなっています。

今回の研究は「 “マウスに” サッカリンを継続投与すると短期間で腸内細菌に変化が生じ、同時にこのことが原因とみられる耐糖能異常を示した」ということを実証したという点では、ひとつの画期的な成果と言えますが、ごく少数の被験者による結果をもとに「人間でも無菌マウスで見られたものと同様の影響がある」ことを匂わせているのは、少々強引な所があるかもしれません。

人工的な食品添加物は無条件で拒否したくなる心情というのもあるかとは思いますが、あまり神経質になりすぎるのも、かえって健康に良くないかもしれません。


私も時々Nexなどを飲むので、「人工的な食品添加物を無条件で拒否したくなる」タイプのヒトではありませんが、上の記事で太字の部分は明らかに誤りです。というのは、Natureの論文にはデータとともに以下のような記載があります(論文をみる)。

Notably, at week 11, the three mouse groups that consumed water, glucose and sucrose featured comparable glucose tolerance curves, whereas all three NAS-consuming mouse groups developed marked glucose intolerance (P < 0.001, Fig. 1a, b).

要するに、サッカリンだけではなくアスパルテームとスクラロースを投与したマウスも有意な耐糖能異常を示したとはっきり書かれています。

上の誤りが意図的だとするとかなり悪質です。批判するためだけなら、多くの実験で、アスパルテームとスクラロースを用いずにサッカリンだけで結果を出していることを指摘するだけで良かったと思います。

なんとなく、清涼飲料業界の意を受けた記事のような気がします。

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