“徒弟制度”や修士論文の廃止求める 中教審、同志社 脳科学大学院でリーディングプログラム応募

“徒弟制度”や修士論文の廃止求める 大学院博士課程で中教審答申

以下は、記事の抜粋です。


中央教育審議会は1月31日、大学院博士課程で、院生が1人の教員に師事して研究を手伝いながら指導を受ける“徒弟制度”や、特定のテーマに絞り込んだ修士論文の廃止などを盛り込む改革策を高木文部科学相に答申した。

博士課程修了者が民間企業で敬遠される傾向があり、国際社会で活躍できる人材育成も不十分という批判が出ていることから、企業などが求める人材育成を目指す。答申を受け、文科省は具体的な制度改革の検討に入る方針。

答申では、院生が、複数の研究室で指導を受けながら学位を取得するように求めている。また、5年制の博士課程の2年修了時点で、特定の研究テーマについてまとめる修士論文を原則的に廃止。代わりに幅広い分野について「クォリファイング・イグザム」の導入を求めている。ただ、博士課程とは別にある修士課程は今後も存続するため、同課程での修士論文などは存続を認める。

新しい制度は、トップレベルの大学院教育を推進するために、各大学院の中から指定される「リーディング大学院」などで先行して導入される見通し。


第1印象は、「アメリカのパクリ」です。「ポスドク1万人計画」のようにパクリが悲惨な結果に終わらないことを願います。

理学部や文学部など4年制学部の大学院には、修士課程がなく見かけ上5年制の博士課程になっているところが多いですが、前期(2年)と後期(3年)に別れており、5年制一貫を謳っている旧帝大の博士課程でも、多くの学生は2年の前期課程だけで就職します。答申は、この現状をアメリカのように前期だけでの修了をなくして、すべてを5年一貫にするということのようです。

しかし、日本の企業はどんなに大学院を変えても、5年一貫制の博士課程を修了した学生よりも、2年の修士課程を修了した学生を好むでしょう。5年一貫制の縛りを強くして、博士前期修了をなくしたりすると、2年で終わる修士課程を希望する学生が多くなり、5年一貫制の博士課程へ進学する学生は減ってしまうような気がします。まさか、それでポスドク過剰を解消しようとしているわけではないと思いますが、、、

どんなメンバーが答申を決めたのだろうかと思っていたら、以下のような記事がみつかりました。答申を決めたメンバーはこちら


中教審委員にシンクロ銅の奥野氏ら30人

以下は、記事の抜粋です。


文部科学省は2月1日付で、第6期中央教育審議会(文科相の諮問機関)の委員30人を任命した。

バルセロナ五輪シンクロ銅メダリストの奥野史子氏(38)や神戸製鋼ラグビー部の平尾誠二氏(48)ら15人が新たに選ばれた。任期は2年間。会長には2月15日の総会で、新日本製鉄会長の三村明夫氏(70)が互選により再任される見通しになった。

奥野氏ら以外の新任委員は次の通り。相川敬・日本PTA全国協議会長▽五十嵐俊子・東京都日野市立平山小校長▽生重幸恵・NPO法人スクール・アドバイス・ネットワーク理事長▽貝ノ瀬滋・東京都三鷹市教育長▽北城恪太郎・日本IBM最高顧問▽国井秀子・リコーITソリューションズ会長▽長尾ひろみ・広島女学院大学長▽橋本都・青森県教育長▽浜田純一・東大学長▽宮崎緑・千葉商科大教授▽無藤隆・白梅学園大教授▽村松泰子・東京学芸大学長▽森民夫・新潟県長岡市長


総会を開く前から次の会長が誰になるかわかっている会とは知りませんでした。メンバーの中に「徒弟制度」や”Qualifying Exam”を経験した人は少なそうです。
「リーディング大学院」について以下のような記事もありました。

同志社大に脳科学の大学院「世界レベルの博士を」

以下は、記事の抜粋です。


同志社大学は来年4月をめどに大学院脳科学研究科を開設する方針を固めた。脳機能に関する高度な教育と研究を行う研究科で、次世代の世界的なリーダー養成を支援する文部科学省のプログラム「リーディング大学院」への応募も予定している。

同研究科は学研都市キャンパスに新設し、定員は1学年10人程度。博士課程のみの5年制とする。講師は同大や外部から招聘する予定。今年4月に文科省に設置許可を申請し、7月にも入試を行う。同大は「少数精鋭の質の高い教育・研究を行い、世界レベルの博士を育てたい」としている。


この大学院は、中教審答申に沿った5年一貫制のようです。このような大学院に入って、5年勉強すれば企業などが求める人材に育つのでしょうか?関連記事に書いた京大の全寮制新大学院もそうですが、「リーディング大学院」の良いアイディアはまだまだ見当たらないような気がします。

関連記事
京大、全寮制の大学院新設へ5年一貫でリーダー育成―「博士課程教育リーディングプログラム」

コメント

  1. ただのおばcなん より:

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    こういうお話しを見聞きする、実際の大学院生としては、う~~んとうなってしまいます。実際に大学院生を生活を始めてから、まったくもっても一般で思われている師弟制度以上の師弟制度ですし、もっといえば、全くあって無いような指導のような気がします。ただ、もっと知りたいもっとやってみたいという時間が多く与えられた気がします。正直とても大学院生活が企業への就職率をあげるようには思えません。これかの事を考える人にとって大学院っていうのは、博士課程とは、なんなのかなぜなのか、、ちょっと違うんじゃないかな?とか思ってしまいます。かといって明確な答えを出せる立場にもありませんが。

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