アメリカ、小野薬品のオプジーボ、肺がん「第1選択薬」に 

小野薬品のオプジーボ、肺がん「第1選択薬」に
以下は、記事の抜粋です。


小野薬品工業は5月18日、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法が、肺がん治療で最初に投与できる「第1選択薬」として米食品医薬品局(FDA)から承認を得たと発表した。オプジーボは肺がん治療の現場ではこれまで他の薬が効かない場合などに使用されていた。

提携企業である米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が1月にFDAに承認申請していた。現在、肺がん治療の第1選択薬としてはメルクの「キイトルーダ」が主流となっている。

肺がんの8割以上を占める非小細胞肺がんで、免疫細胞の働きを抑えるたんぱく質「PD-L1」の発現率が1%以上の成人患者が対象となる。臨床試験では、併用療法の3年生存率が33%と化学療法の22%に比べ優位性が確認できている。

肺がんの年間の新規患者数は世界で約210万人。国内では2019年12月に非小細胞肺がんを適応症とするオプジーボとヤーボイの併用療法で承認申請を行っている。20年内にも承認される見込みだ。オプジーボの売り上げ全体に占める肺がん治療は2割程度にとどまっている。


昨年のブログ記事で、小規模コホート臨床試験の結果から早期肺がんに対するチェックポイント阻害薬が有効である可能性は極めて高いことを紹介しました。

その記事にも書きましたが、現在の日本では、チェックポイント阻害薬は肺がんだけではなく、腎細胞がんや悪性黒色腫などの様々ながんに用いられていますが、「根治切除不能な」とか「進行・再発の」とか「がん化学療法後に増悪した」とか「再発又は難治性の」などの形容詞のついた進行したがんにのみ適応が認められています。

つまり、日本では切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんだけにオプジーボ®(一般名:ニポルマブ)は使えますが、アメリカでは、治療開始の最初から(従来型抗がん剤をさしおいて)オプジーボ®を使えるようになるということです。これは、患者にとっては福音ですが、高額のチェックポイント阻害薬が肺がんに対して初期治療から使うことを意味します。

記事にもありますが、肺がんは多い病気です。2020年における推計によると、男性では肺がんの新患者数が約91000人、女 性では約34000人、計12万5000人と予測されています。オプジーボ®の治療は2週間に1回の点滴投与が基本で、1ヵ月当たりの薬価は約82万円です。全員にチェックポイント阻害薬を使って保険が負担するのを約70万円とすると(高額医療制度があるので)、保険の負担は87,500,000,000円=875億円になります。大丈夫でしょうか?

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