専門家会議の反省なければ「第二波」で再び惨状に
以下は、東京都知事や3つの内閣で厚生労働大臣を務めた舛添要一氏が最近書いた記事からの抜粋です。
政府は、5月14日、専門家会議の諮問を経て、計39県の緊急事態宣言を解除した。さらに、専門家会議は、感染状況に応じて、全国を①特定警戒、②感染拡大注意、③感染観察の3区分に分けることを決めた。①では、「接触減8割」を遵守するなどの行動制限を徹底し、感染拡大を阻止する。②は、新たな感染者数が①の半分程度の地域で、「新たな生活様式」やイベントの制限などを徹底して、感染拡大を防止する。③は、②の水準以下の地域で、感染防止策を講じた上で、日常生活を取り戻す。
この点に関連して驚くのは、専門家会議がまだ「接触8割減」などというスローガンに固執していることである。西浦教授の数理モデルは数ある理論の一つに過ぎないのであって、「感染者85万人、死者42万人」という数字なども含めて、真に科学的でもなければ現実的でもない。
私の知っているかぎり、「接触8割減」などという政策を掲げている国はない。“social distance”の励行という政策が普通である。もう西浦理論は忘れて、より現実的な政策に変えるべきである。専門家会議は言わずもがな、それを鵜呑みにする安倍政権の責任は重い。
私も、「西浦教授の数理モデルは数ある理論の一つに過ぎないのであって、『感染者85万人、死者42万人』という数字なども含めて、真に科学的でもなければ現実的でもない。」と思います。「接触8割減」と言われても、外出自粛以外どうして良いかわからない人が多かったでしょう。今後の自粛解除の中で感染の広がりを抑えるには、「3密」や「接触8割減」とかいうわかり易そうでミスが多いスローガンではなく、コロナウイルスの性質や感染メカニズムを多くの市民が理解できるような教育が必要だと思います。また、検査数・感染者数や重症例の数などについての情報については隠蔽せず、透明性を高めることも重要です。
「専門家会議」は、政府のやる事にお墨付きを与えて、何かあれば責任をとらされる御用学者の集まりなので、Anthony Fauci氏のように政治リーダーの示す方向性に異を唱えることに期待する方が無理だと思います。
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