重症のCOVID-19肺炎患者で、血液検査でIL-6値が上昇している患者に対して、トシリズマブ(日本での商品名:アクテムラ)が中国で適用可能  フランスでも報告あり

重篤なCOVID-19患者にトシリズマブは有望…サイトカインストームを抑制して重症患者の死亡率を下げる
以下は、記事の抜粋です。


重篤なCOVID-19患者では、サイトカインストームが生じている可能性が示唆されていた。中国科学技術大学のBinqing Fu氏らは、IL-6の受容体阻害薬であるトシリズマブを、IL-6値が上昇している重症患者21人に投与して、めざましい症状改善効果が得られたと報告した。予備的な研究の結果は、Journal of Translational Medicine誌電子版に2020年4月14日に掲載された。


元論文のタイトルは、”Why tocilizumab could be an effective treatment for severe COVID-19?”です(論文をみる)。トシリズマブ(商品名:アクテムラ)をCOVID-19肺炎に対する第3相臨床試験は日本でも始まっています(記事をみる)。

トシリズマブはIL-6受容体を阻害するモノクローナル抗体です。試験では、重篤なCOVID-19患者で血液中のIL-6濃度が上昇している患者を対象としました。投与後、全員の体温がすぐ平熱に戻り、すべての症状が改善しました。21人の患者のうち20人が、投与から2週間以内に退院しました。残りの1人も回復しました。有害事象は報告されなかったそうです。

著者らは、この予備試験の結果に基づいて、500人を超える重症のCOVID-19患者にトシリズマブを投与する大規模臨床試験を開始しているそうです。

中国では、これらの結果により、CT画像において両側肺の透過性の低下が著しい重症患者で、血液検査でIL-6値が上昇している患者に対して、本年の3月3日から適用が可能になっているそうです。IL-6値が上昇している患者の割合はわかりませんが、重症のCOVID-19患者に有効な治療が見つかったのは素晴らしいと思います。

以下は、フランスで行われた、重症の新型コロナウイルス肺炎に対するトシリズマブの効果を報告するプレプリントの論文内容を報道するニュースの抜粋です。


関節炎薬、新型コロナに「著しい」効果 仏研究
重症化した新型コロナウイルス感染症患者にみられる過剰な炎症反応の抑制に対して、「トシリズマブ」が有用である可能性が出てきた。フランスで行われている臨床研究で有望な結果が示された。今回の研究では、COVID-19患者の5~10%で発症する中度から重度のウイルス性肺炎で入院した129人を調査した。

調査対象者の半数にはトシリズマブ注射2回と抗生物質による標準的な治療、対照群には標準的な治療のみをそれぞれ実施した。その結果、対照群との比較では、この治療法により死者数および生命維持処置の実施数が「著しく」減少したとされる。

今回の研究結果はまだ論文として発表されていないが、研究チームは、トシリズマブ治療法の明らかな「臨床的有益性」が証明されたとしている。

ただ、トシリズマブの有効性と副作用の可能性についてはさらに研究を重ねる必要があるとも研究チームは強調している。「アクテムラ」や「ロアクテムラ」などの商標名で販売されているトシリズマブは、リウマチ性関節炎の治療に広く利用されている。

研究者らは、トシリズマブには「サイトカインストーム」として知られる免疫反応が過剰に高まった状態を抑える作用があることが考えられるとしている。

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