30クルーズ船のCOVID-19無症候例、胸部CT所見の特徴
以下は、記事の抜粋です。
自衛隊中央病院で、ダイヤモンドプリンセス号に乗船していた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者112例(平均年齢62±16歳、男性59例、女性53例)の胸部CT画像の後ろ向きに解析。入院時に肺炎の徴候や症状、37.5度以上の発熱、咳嗽、呼吸困難、倦怠感のいずれかがある場合を症候性、それ以外を無症候性に分類し、両者の所見を比較した。
無症候性患者82例のうち44例(54%)にCT画像で肺の陰影が見られた。症候性患者30例のうち24例(80%)にCT上の異常所見があった。症候性患者は、無症候性患者よりも胸部CT画像で肺野異常陰影と気道病変が見られる割合が高かった(肺野陰影80% vs. 54%、気道病変50% vs. 18%)。無症候性患者はすりガラス陰影(GGO)優位(80%)、症候性患者はコンソリデーション優位(38%)が多かった。CT重症度スコアは症候性患者の方が無症候性患者より有意に高かった。
元論文のタイトルは、”Chest CT Findings in Cases from the Cruise Ship “Diamond Princess” with Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)”です(論文をみる)。
以下は、70歳の女性で無症候の方のCT画像です。矢印のところに典型的な「すりガラス陰影(GGO)」が認められます。日本は、CTの設置率では世界のトップクラスなので、CT撮影室の汚染の問題さえなければ、コロナ肺炎の診断にはCTをフルに活用すべきだと思います。
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