マウスの表情を読む: モルヒネ、解熱鎮痛薬、偏頭痛薬などの効果判定に使える。

Mice Show Pain on Their Faces Just Like Humans

以下は、記事の抜粋です。


“mouse grimace scale(MGS、マウスしかめっ面スケール)”を開発した研究者らによると、苦痛を感じたマウスはヒトと同じような「苦痛の表情」を示すという。このようなスケールは、新薬の効果判定に役立つだろう。

これまでにも、乳児や痛みを言葉で表現できない人の場合には、このような表情を数値化して痛みを測定する例はあった。しかし、「誰もヒト以外の苦痛の表情をみた者はいなかった。」とカナダMcGill大のJeffery Mogil氏は述べた。この論文は、5月9日発行のNature Methodに掲載された。

今まで、動物を用いて自発痛をうまく測定する方法はなかったが、この方法を使えばマウスを使ってより正確な薬物効果の判定ができるという。

Mogil氏は2006年、マウスは他のマウスの痛みを表情から知ることに気づき、これを痛みの客観的指標として使うことを思いついたという。


元論文のタイトルは、”Coding of facial expressions of pain in the laboratory mouse”です(論文をみる)。

痛みを感じているマウスは、下の写真のような5つの表情をみせます。

上から順に、目を細める、鼻を膨らます、頬を膨らます、耳の位置を変える、ヒゲの位置を変える、の5つです。耳とヒゲの動き以外はヒトとまったく同じで、このような表情が進化上保存されていることがわかります。これらを図のように、0、1、2の3段階にスコア付けします。
シクロフォスファミドを腹腔内投与したマウスやCacna1aノックインマウス(偏頭痛モデル)に薬物を投与した後、デジタルムービーで撮影してMGSを計算します。

モルヒネやアセトアミノフェンといった薬物はもちろん、これまで動物モデルでは評価が難しかった偏頭痛薬のリザトリプタン(rizatriptan)の効果もみごとに判定できました。

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