Edoxaban versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation
以下は、論文要約の抜粋です。
エドキサバン(リクシアナ®、日本では第一三共から発売)は、抗血栓作用をもつ経口直接作用型Xa因子阻害薬である。本研究では、心房細動患者における長期的有効性をワルファリンと比較した。中等度~高リスクの心房細動患者21,105例を対象に、エドキサバン1 日1回の2通りのレジメン(高用量と低用量)を、ワルファリンと比較する無作為化二重盲検試験を行った。
主要有効性エンドポイントは、脳卒中または全身性塞栓症とし、エドキサバンの2つのレジメンについてついてワルファリンに対する非劣性を検討した。主要な安全性エンドポイントは重大な出血とした。
その結果、エドキサバンの2つのレジメンはどちらも脳卒中と全身性塞栓症の予防に関してワルファリンに対して非劣性を示し、重大な出血による死亡の発生率はワルファリンのものよりも有意に低かった。
経口Xa阻害薬は、国内ではリバーロキサバン、エドキサバン、アピキサバンなどが売られていますが、心房細動患者におけるワルファリンと比較した長期的な有効性と安全性は不明でした。本論文では、有効性はワルファリンと変わらずより安全である、という結果が示されています。
ワルファリンは安価だし、安全性の違いについても大したことはないという評価もあると思います。しかし、ワルファリンを投与した場合は、血液凝固能を頻繁にモニターする必要がありますが、Xa阻害薬の場合はその必要がありません。この違いは大きいと思います。リバロキサバンのワルファリンに対する非劣性もすでに報告されています(記事をみる)。他のXa阻害薬でも同様の結果が蓄積すれば、近い将来Xa阻害薬がワルファリンにとって代わる可能性もあると思います。
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