ハダカデバネズミ

以下は、東京ズーネットBBの「うごく!どうぶつ図鑑」からの抜粋です(説明と動画をみる)。


ハダカデバネズミは、その名のとおり、門歯が発達していて、毛のほとんどないげっ歯類です。大きさは、頭胴長80~92mm、尾長28~40mm、体重30~80gで、えさは、主として草の根や地下植物を食べています。

ソマリア、エチオピア、ケニア北部に生息し、地中に長いトンネルを掘って、群れでくらすこの動物は、すがただけでなく、生態もユニーク。
地下に掘ったトンネル状の巣穴で生活し、地上に出てくることはめったにありません。通常40~90匹の群れで生活しますが、このなかで繁殖できるのはただ1頭のメスと2~3頭のオスだけです。

繁殖にかかわらない他の個体はすべて働き手となり、巣を守る少数の「兵隊」、その他大勢の「労働者」の階層に分かれます。赤ちゃんの体温低下を防ぐため、肉布団になる係もいるそうです。


上の説明にもあるように、このネズミは哺乳動物でありながら、アリやハチのように、その集団の中に不妊の階級をもつ「真社会性(eusociality)」の哺乳類です。

17-8種類の鳴き声でコミュニケーションをとることで、この社会構造を維持しており、女王だけに許された声もあるそうです。

さらに、実験用マウスと体の大きさはほぼ同じであるにもかかわらず、寿命は約10倍で、30年近くも生きます。そして、これまでどんな種類のがんも見つかっていないそうです。そのため、寿命や発がんの研究対象として、近年注目を集めています。

10月27日、Science Dailyというサイトに、”Scientists Discover Gene That ‘Cancer-proofs’ Naked Mole Rat’s Cells (ハダカデバネズミをがんから守る遺伝子を発見)”という記事が掲載されました(記事をみる)。

この記事と元の論文(論文の要約をみる)によると、ハダカデバネズミの細胞は、培養した際、一定の密度になると増殖を止める「接触阻害」という現象が、非常に低い密度でも認められます。

研究者らは、この「接触阻害超感受性」ががんになりにくい原因だと考え、ハダカデバネズミの細胞では、p27Kip1に加えて、p16lnk4aという遺伝子も接触阻害のために働いていることを明らかにしました。

今年の3月には、長寿の理由は、タンパク質の安定性と酸化ストレスに対する抵抗性だとする論文も発表されています(論文をみる)。このように、本当におもしろい動物ですが、もう少し良い名前をつけてあげたい気がします。


ぬいぐるみもあります。

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