発散する財政赤字
池田信夫blogの記事です。発散するというのは、どんどん拡大するという意味のようです。
「プライマリーバランス(PB)を黒字にするには、消費税を2019年までに12%に引き上げる必要があるという『骨太の方針』の原案が論議を呼んでいるが、これでも大甘の見通しだというのがIMFの見立てだ。」というイントロで始まります。
PBとは政府の税収と歳出のバランスの事で、これが近年ずっと赤字で、国債発行で埋めていることは、私も知っていました。池田さんはエコノミストの記事から、下の図を引用して、「日本の政府債務は主要国で群を抜いて最悪で、保有金融資産を差し引いたネット債務でもイタリアと並ぶ。」と書いています。そして、「2014年にPBの赤字を半減するという控えめな目標を達成するためだけでも、消費税率を34%にしなければならない。」と説明しています。
PBの改善に向けてできることとして、消費税増税の他に、歳出の大幅削減とハイパーインフレ等による実質債務の削減が、「外科手術」としてあげられていますが、これらはどうせできないという判断で、「財政赤字は発散する」という結論になっていると思います。
私は、戦争や天変地異がなく、IMFの管理下に置かれないと仮定すると、10%程度への消費税増税と歳出の小幅削減、インフレ誘導の3つが同時進行するのではないかと思いました。これで、何とか「発散」を回避しながら時間を稼ぐという方向です。
もちろん、読者のコメントにあるように、民主党が社民党と連立して政権を奪取すると、ヘッジ・ファンドの徹底した円売りが始まり、急激なハイパーインフレのきっかけになる可能性はあります。
エコノミストの記事でも、「何もしないのは最悪」のように書かれているし、「行くも地獄、留まるも地獄」状態なのでしょうか?池田さんや私の推測が間違いであることを祈っています。読者の方々のご指摘をお願い致します。
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