改訂された熱中症の分類と治療法

熱中症、初動が大事!【救急診療の基礎知識】
そろそろ猛暑も終わりですが、来年のためのメモです。


●Point
1)重症度を的確に見積もろう!
2)深部体温を測定しよう!
3)Active coolingを実践しよう!

熱中症のガイドラインが2015年以来9年ぶりにアップデートされました。

2015年に発表された『ガイドライン2015』では、熱中症の重症度分類は3段階に分かれていました。しかし、III度には、軽度の意識障害から多臓器不全を来している症例まで含まれるような幅広い定義となっていたが故に、介入を迅速に行う必要がある重篤な症例において、適切な介入がなされていなかった可能性が示唆されました。そこで、新たにIV度が導入され、早急に治療介入が必要な症例が明確にされました。

IV度は「深部体温40.0℃以上かつGCS≦8」と定義され、III度(2024)はIV度に該当しないIII度(2015)となりました。(GCS(Glasgow Coma Scale)は以下の表を参考にしてください)

IV度か否かを判断するためには、深部体温の測定は非常に重要であり、可能であれば行うべきですが、測定できない場面もあるでしょう。その際には、表面体温40℃以上、または皮膚に明らかな熱感があるかを意識しましょう。そのような患者が重度の意識障害(GCS≦8もしくはJCS≧100)を伴っている場合には、quick IV度(qIV度)として速やかな対応が求められます。

Active cooling
重症度の高い熱中症においては、“active cooling”の早期開始が必要です。冷蔵庫に保管していた輸液製剤を投与することや、エアコンの活用、日陰の涼しい部屋で休憩するなどはpassive coolingに該当し、active coolingではありませんので、これらを実施して安心してはいけません。

効果の高い方法として、“cold-water immersion”が挙げられ、これは冷水などを利用し深部体温を下げる方法です。冷たいプールにつかるようなイメージです。深部体温が40℃を超えるような状態が続くと、予後は悪くなりますので、39℃前後までは速やかに下げることが大切です。


、“cold-water immersion”を調べてみました。こんな装置とか大量のアイスをすぐに用意できる病院がそんなにあるのかなあ?

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