新卒採用:経団連、開始2カ月延期 就活、大学側は「準備急げ」
以下は、「学業専念」のはずが…という記事の抜粋です。
今年から企業の新卒採用の開始を2ヶ月遅らせ「大学3年の12月以降」とする経団連の倫理憲章がスタートしたが、企業側と大学側で早くも思惑のずれが目立ち始めた。経団連は学生が学業に専念する時間を確保したい考えだが、大学側は例年同様早期の準備を呼びかける。就活の早期化是正には時間がかかりそうだ。
早まる採用活動で「海外への短期留学が減るなど学業を妨げている」と、商社の業界団体「日本貿易会」が昨秋、インターネットでの説明会のエントリーや会社説明会などの「広報活動」と試験や面接の「選考活動」の両方をそれぞれ4ヶ月程度遅らせることを提案。経済界で採用活動を見直す機運が高まった。だが、各業界で意見が食い違い、最終的に、13年春以降入社予定の学生らについて、広報活動のみを2ヶ月遅らせる倫理憲章を作り、申し合わせた。
東海大は10~12月、例年同様の日程で3年生向けのセミナーを開き、各業界の仕事や採用日程を説明する。「倫理憲章は紳士協定。水面下で動く企業もあり、早い準備が必要だ」とキャリア支援センター次長は危機感を抱く。創価大も9月の就職ガイダンスで「12月までの2ヶ月こそ大切な時期」と学生にハッパをかけた。
経団連が会員企業に実施したアンケートでは、広報活動を2ヶ月遅らせたことを「評価する」としたのは67%。大学側とは対照的に、新たな枠組みへの期待は大きい。
国立8大学の工学部長らが2008年10月、就職活動は修士課程2年の4月以降に始まるべきだとする声明文を日本経団連に提出しました(声明文をみる)。新聞記事では、京大の大嶌工学部長が記者に以下のように話したとされています。
「修士課程から大学を替わった学生もいる。入ってきて3カ月ほどでは、どの程度の能力があるのか教員は見極められず、推薦状も書きようがない。学生本人もその時点で自分の適性など分からない。」
「就職活動も長期化する。企業にとっても、そういう学生を採用する青田買いはあまりにリスクが高い。早期の採用活動は誰の得にもならない。」などです。
大学3年(修士1年)の10月から始まる就職活動が問題になっているのですが、これらの記事をみると、経団連やその会員企業は、3年前の国立8大学工学部長声明に対してある程度ちゃんと対応しています。「倫理憲章は紳士協定だから破られて当然」と指導しているのは、大学でした。「背に腹は変えられない」ということでしょうか?
おそらく、国立8大学と東海大や創価大のレベルが違うために、大学側の対応がバラバラにみえるのでしょう。ちなみに、神戸大学では、百年記念館にリクルート・リクナビ副編集長、菅野智文氏を迎えて、2011年10月12日から全学就職ガイダンス(主に学部3年生・修士1年生対象)をやっています。
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