私は、カキ(牡蠣)を食べて激しく体調を崩したことが2回あります。
1回目は、学生の時、友人3-4人と家でカキ鍋をした時です。この時は、食べて1-2日後に、吐き気・おう吐・腹痛などを全員が経験しました。今から考えると、これは潜伏期間が長い(24-48時間)ことから、ノロウィルス感染だったと思います。これについては、「カキにあたる人、あたらない人」など、たくさん詳しいサイトがあります。
2回目は、助手の頃、広島の国際学会で発表し、その夜大学院生だったS君と一緒に広島の街に遊びに行きました。カキフライを食べた後、Barのようなところに行きました。お酒が出てきた頃、腹痛がおこりました。トイレに行きましたが、腹痛はおさまらず、立ち上がると気を失いそうな感じで、トイレで立ち上がることができなくなりました。そのまま這って席まで戻りました。
今から楽しい時間なのに、と怒るS君も、私の悲惨な状態に驚き、近くの救急病院に連れて行ってくれました。そこでは、ブスコパンという抗コリン薬を注射されましたが、まったく効果がありませんでした。ホテルに帰ったら、腹痛と下痢がひどくなり、そのうちイチゴミルク状の下痢になりました。
不安な一夜が明け、新幹線で新神戸まで帰り、そのまま大学病院に入院しました。症状は、少しマシになりましたが、腹痛は残っていました。担当は、当時内科の講師だったT先生でした。彼もブスコパンの点滴をしてくれました。その時、「君、少しプルス(ドイツ語で脈拍の事)が早いな」と言われました。抗コリン薬を入れたら、迷走神経がブロックされて脈が速くなるのは当然なので、かなり不安になりました。便の潜血反応もプラスでした。
3日間入院しました。後日、アレルギーの専門家から、それはおそらくカキアレルギーで、広島での症状は、アナフィラキシーで説明できると言われました。確かに、アナフィラキシーでは、全身のマスト細胞からヒスタミンが放出されるので、血管が開いて起立性低血圧、腸管が収縮して腹痛、毛細血管の透過性が亢進し、赤血球が漏出した結果、イチゴミルク様下痢と潜血プラスになったと思われます。ブスコパンがまったく効かないのも当然です。
カキ抗原はチェックしませんでしたが、私は、アレルギーの専門家の言葉を信じ、約25年間カキをまったく食べませんでした。しかし、今年は、私にカキアレルギーがあると知らずに、お歳暮に的矢のカキを毎年送ってくれたK先生が定年退職することもあり、その的矢のカキを思い切って食べてみました。そうすると何もおこらないではありませんか!!
抗原提示リンパ球の寿命が尽きたのかもしれません。いずれにしても、大好きなカキがまた食べられるようになったのは、とても嬉しいです。今日も昼食にカキフライを食べました。
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