喫煙者は肥満度に関係なく死亡リスクが高い―厚生労働科学研究班の報告
以下は、記事の抜粋です。
日本人男女の大規模データを解析したところ、死亡リスクが最も低いBMIは22.0~24.9であることが、東北大学教授の寳澤篤氏らの検討で示唆された。これらの関連は年齢や喫煙習慣の有無による影響はみられなかったが、現在喫煙している人はたとえ理想体重であっても、喫煙歴のないどのBMI群の人よりも死亡リスクは高いことも明らかになった。
対象は、大規模なメタ解析研究であるEPOCH-JAPAN(Evidence for Cardiovascular Prevention From Observational Cohorts in Japan)に参加した40~89歳の男女計17万9,987人(平均年齢58.7歳、男性11万1,705人、平均BMIは23.3)。1987~1995年のベースラインから平均9.8年間追跡した。
その結果、対象者全体の解析では、全死亡リスクとBMIとの間にはU字型の関係が認められ、BMIが21.0以下あるいは29.0以上の場合に全死亡リスクの有意な上昇がみられた。また、全死亡リスクはBMIが22.0~24.9の場合に最も低いことも明らかになった。
さらに、BMIが18.9未満または30.0以上で喫煙歴がない人に比べて、喫煙者は理想的なBMIでも死亡リスクは上回っていることも分かった。
元論文のタイトルは、”Association between body mass index and all-cause death in Japanese population: pooled individual participant data analysis of 13 cohort studies”です(論文をみる)。
以上の結果から、寳澤氏らは「喫煙者の死亡リスクは、最も死亡リスクが小さいBMI群であっても非喫煙者の全てのBMI群を上回っていた。BMI値にかかわらず、喫煙習慣は死亡リスクの上昇をもたらすことから、体型維持のための喫煙は論外であり、今後さらに禁煙対策を強化していくことが求められる」と述べているそうです。ということで、生きるためには、たとえ太ってもタバコを止めるべきだという結論です。
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