フレイルの高齢者への降圧治療は、危険なのでやめるべきか?

高血圧治療 虚弱な高齢者への降圧薬は死亡率を上げる!?
以下は、記事の抜粋です。


血圧が高ければ、どんな場合も治療した方がよいのでしょうか。

最近、「フレイル」という考え方が注目されています。フレイルは「虚弱」を意味し、「加齢とともに、筋力や認知機能など心身の活力が低下し、生活機能の障害や要介護状態、死亡の危険性が高くなった状態」を指します。介護施設を含めて、心身が弱ったフレイルの高齢者にも、高血圧の治療は広く行われていますが、これらのデータは、そうした現状に再考を迫っていると言えます。

武蔵国分寺公園クリニック院長の名郷直樹医師は、「介護施設に訪問診療した際、『フレイルの高齢者への降圧治療は、危険なのでやめてください』と言っても、『血圧が高いと入浴できない規則なので』と言って聞き入れてくれません」と危機感をあらわにします。


上の記事では、都合の良い研究結果が断片的に書かれているだけで引用文献はついておらず、どのような科学的根拠に基づいているのか不明です。一方、日本老年医学会がまとめた「高齢者の生活機能を考慮した高血圧管理『高齢者高血圧診療ガイドライン 2017の活用」には、フレイルについて、異なる見解が書かれています(PDFをみる)。以下は、抜粋です。


大事な点は,フレイル予防とフレイルから要介護への移行の予防である.フレイルであっても基本的には降圧薬治療が推奨されるものの,フレイルの評価が無用なわけではない.

むしろ,フレイルであれば降圧薬治療の観点とは別に原因に応じて介入(栄養,運動,精神面など)することが予後や生活機能維持に有用であるため,積極的にフレイルの診断と対策を行うべきである.


つまり、「フレイルの高齢者への降圧薬は死亡率を上げるから飲まない方が良い」ではなく、虚弱(フレイル)にはフレイルとしての対応をきっちりと、降圧とは別に行うべきだということです。認知症患者の降圧についても以下のように書かれています。


現段階では認知機能を評価することによって降圧治療を差し控える判断や降圧薬の種類を判断することにはつながらず,原則として認知機能に関わらず降圧薬治療を行うが,服薬管理においては重要な注意事項である.


高齢者、とくにフレイルの高齢者の場合は、適切な血圧管理を行わないと過降圧での事故などがおこり易いと思われます。上の記事で、ご自分の見解を語っておられる医師は、そのような怖い経験を多くされているのだと思います。

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