一般的に処方されている向精神薬は大量に飲んでも簡単には致死量に至りません。

猿之助の両親の「薬物中毒死」に現役医師が疑義 「50〜60錠では死に至らない」「意識を失っただけでは」
以下は、記事の抜粋です。


市川猿之助さんと両親が自宅で倒れているのが見つかり、両親が死亡した。猿之助さんは警視庁の聴取に「死んで生まれ変わろうと家族で話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」という話をしているという。警視庁の司法解剖では両親の死因は「向精神薬中毒の疑いとみられる」と報道されたが、24日発売の『週刊文春』は猿之助さんが両親に<ビニール袋をかぶせた>と報道した。現役の医師も「向精神薬で亡くなるのはかなり困難」と疑念を示した上で、「向精神薬を飲めば死ねる」という誤解が広がることは問題だ、と語る。

相馬中央病院内科医長の原田文植氏はこう説明する。「猿之助さんほどの著名人の場合、病院に来ると騒ぎになるので、在宅医に診てもらうことはよくあります。また、毎月受診することも難しいでしょうから、本人の意向を受けて、一般の方々よりも長い期間の薬を出すことも考えられます。たとえ100錠を超えるような大量の薬が自宅にあったとしても、不自然ではありません」

だが、同時にこう疑問を呈する。「一般的に処方されている向精神薬は大量に飲んでも簡単には致死量に至りません。精神的に参っている人に処方される薬なので、それで自死できるようには作られていないのです。例え大量に飲もうとしても、体が拒否反応を起こして吐いてしまったりするので、そこまで飲めるかと言われると大きな疑問があります。特に高齢者であれば一層難しくなりますし、介護状態の人であればなおさら難しい」

週刊新潮では捜査関係者の話として<数種類の向精神薬を混ぜ合わせて一人あたり50〜60錠ほど飲み込んだ>と具体的に説明をしている。この点について原田氏はこう見る。

「薬を混ぜ合わせて致死性を高めるような知識を猿之助さんが持っていたとは思えないし、そのような薬が処方されて自宅にあったとも考えにくいです。また、一般に処方される向精神薬を50〜60錠飲んでも、まず死に至ることはありません。専門家の立場から言うと、向精神薬の大量摂取で死に至ることは『かなり困難』なのです」

もし薬による中毒でなければ、両親の死因は何だったのか。『週刊文春』の報道では、<両親はそれぞれ十錠ほどを口に含むと、間もなく意識を失った。猿之助は部屋にあったビニール袋を手に取り、その顔に被せてい>ったと伝えている。

原田氏はこう語る。「猿之助さんの両親は睡眠薬などで意識を失ったあとに何らかの理由で亡くなったというほうが可能性があるのではないか、というのが私の見解です」。「事件を受けて、向精神薬を服用している患者さんから『大量に飲むと死んでしまうのか』という不安の声を多くいただいていますが、そんなことはありません。もし希死念慮がある患者さんが『この薬を飲むと死ねる』などという誤解が広がってしまえば、それは問題だと考えています」

両親はどうやって死に至ったのか。謎は深まるばかりだが、猿之助さんの口から真相が語られることが待たれる。


私もこの医師と同じ意見です。現在では、躁状態を治療する一部の薬を除いて、医師が処方する向精神薬を大量に飲んでも死ねません。

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