初のデジタル錠剤、米FDAが承認-センサーで患者の服用状況把握
以下は、記事の抜粋です。
患者が処方通りに薬を服用したかどうかを確認できるようセンサーを埋め込んだ初のデジタル錠剤が、米食品医薬品局(FDA)に承認された。テクノロジーとヘルスケアの融合で画期的な決定となったが、プライバシーに関する懸念も伴う。
FDAが11月13日に承認したのは「エビリファイ・マイサイト(Abilify Mycite)」。統合失調症や双極性障害の治療に使われる大塚製薬の「エビリファイ」に、米プロテウス・デジタル・ヘルスが開発したセンサーを組み込んだ。センサーは胃液に接することで作動。患者の体に貼り付けたパッチに信号を送り、情報をスマートフォンなどのアプリに伝える仕組み。
エビリファイ®(一般名:アリピプラゾール)は、ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用、ドパミンD3受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用及びセロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用など、いろいろな神経伝達物質受容体と作用しますが、はっきりとした作用機序は不明です。
センサーは胃液に接するとシグナルを発し、患者さんの身体に貼り付けたシグナル検出器が服薬の日時を記録します。センサーは体内で消化・吸収されることなく、安全に体外に排泄されるということです(上の図)。
センサーを組み込んだ目的は、「モバイル端末を通じて患者の服薬状況を医療従事者らと情報共有し、精神疾患患者の服薬状況を客観的に把握することで、より適した治療選択を可能にする」だそうです。
ミクスonlineの情報によると、米国での発売日及び価格は未定。日本や欧州での具体的な開発計画もないそうです。重要なことだとは思いますが、服薬状況の確認だけが目的ですので「初のデジタル錠剤」というほどの革命的な薬剤ではなさそうです。
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