語学習得には「体を動かす」のが正解だった……語学と運動の不思議な関係性
以下は、記事の抜粋です。
大人になって外国語を学ぶのはなかなか難しい。ところが勉強しながら体を動かすと、習得が楽になる可能性があるという。
言語学習のプロセスに運動がどんな影響を与えるのか調べるため、研究チームは英語を学んでいる中国人の大学生40人を集めた。彼らの英語力は、そこそこできるけれど堪能というには程遠いくらいのレベルだ。
研究チームは学生たちを2つのグループに分け、1つのグループにはそれまでどおりの授業を受けてもらった。つまり、じっと座って機械的に単語を覚える授業だ。そしてもう一つのグループには、運動を加えた授業を受けてもらった。
具体的に言うと、学生たちはエクササイズ用のバイクをゆったりしたペース(それぞれの最大有酸素能力のほぼ60%)でこぐよう指示された。学生たちは授業20分前からバイクをこぎ始め、授業が始まってからも15分程度こぎ続けた。
授業ではどちらのグループも、大型スクリーンに新しい単語が対応する絵(「apple」なら赤いリンゴの絵)とともに映し出されるのを見て単語を覚えた。1度の授業で表示される単語は40個だった。
授業が終わったらどちらのグループの学生も短い休憩を取り、語彙力を調べるテストを受けた。単語と絵の組み合わせが正しいかどうかをコンピュータのキーを使ってできるだけ早く答えるというものだ。また、新しく習った単語を使った文章を読み、意味が通っているかどうかを答えた(「The apple is a dentist」ならノーだ)。
学生たちは8回の授業を2カ月間にわたって受けた。各授業の後で受けたテストでは、バイクこぎをした学生たちのほうが座っていただけの学生たちよりいい成績を収めた。また、文章が正しいかどうか見分けるテストでもバイクこぎをした学生たちのほうが好成績だった。w
最も興味深い点は、習得した語彙であれ単語の意味の理解であれ、バイクをこいだグループのほうが「長持ち」したということだ。授業終了から1カ月後に行った再テストでも、バイクこぎグループのほうが単語を多く覚えていて、文章で使われたときの理解も正確だった。
元論文のタイトルは、”It takes biking to learn: Physical activity improves learning a second language.”です(論文をみる)。
研究グループのリーダーは、「私たちは学校や教師にたくさんのバイクを導入しろと言うつもりはない。言いたいことはもっと単純で、授業の合間に体を動かすべきだということになるだろう。何時間もじっと動かず座り続けているのは、学習の最善方法ではない」と言っているそうです。
確かに、何時間もじっと動かず座り続けているのは、学習の最善方法ではないだろうとは推測しますが、彼が本当に主張を証明したいなら、バイクになりながらの学習効果ではなく授業の合間に体を動かす効果を実験で確認すべきだと思います。
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