エクオールは大豆イソフラボンから腸内細菌により産生されエストロゲン受容体に働く

エクオールとは?
以下は、記事の抜粋です。


更年期は、エストロゲン(女性ホルモン)のレベルの低下に伴い、月経不順、ホットフラッシュ、脂質代謝異常、骨量減少、皮膚の乾燥萎縮等、さまざまな症状を引き起こし生活の質が低下します。これに対し、更年期障害のほか、骨粗しょう症、動脈硬化、乳がん予防等に大豆中のイソフラボンが有用であると研究成果が出ています。

しかし、大豆イソフラボンのサプリメントを摂取、または大豆を食事でたくさん摂るようにしても、症状が改善しない方がいることが分かってきました。

つまり、イソフラボンからエストロゲン活性のあるエクオールを産生する腸内細菌が存在するかどうかで、イソフラボンの効き目に差が出てくると考えられています。残念ながら、日本人の2人に1人は、エクオールを産生できないといわれています。

実際に、更年期障害が軽いグループでは重いグループと比較して、尿中エクオール排泄量が有意に高い、つまり、エクオールを多く産生していることがわかっています。


最近では、エクオールがサプリメントとして数社から販売され、大塚薬品は尿中へのエクオールの排出の有無をチェックするキットも販売しています。ということで、エクオールについて少し調べてみました。

「更年期障害が軽いグループでは重いグループと比較して、尿中エクオール排泄量が有意に高い」という論文は探し出すことができませんでした。以下に、私が見つけた論文を2つ紹介します。

1)閉経後の女性で、大豆イソフラボンは、エクオール産生能力の有無にかかわらず骨カルシウム量の保存に有効だった(論文をみる)。

2)エクオール産生能力の有無とLDLコレステロール値などの心血管リスクファクターとの関連を調べたメタ解析の結果では、エクオール産生能力があるヒトが有意にリスクが低いという明確な結論は出なかった(論文をみる)。

ということで、非常に多くの論文は発表されていますが、十分な症例数のランダム化比較試験はまだ行われていないようです。いずれにしても、エクオールはまだ医薬品として認められている訳ではありません。

また、エクオールはエストロゲン受容体に結合して様々な効果を発揮することが分かっています(論文をみる)。といってもエストロゲンに比べるとその効果は弱いので、更年期障害に対してエストロゲンなどのホルモン補充療法を既に受けている女性では効果が認められない可能性もあります。摂取を希望する場合は、主治医とよく相談しましょう。

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