日本の専門医制度は終わった。あるいは、死んだ。

日本の専門医制度は終わったか?

以下は、記事の抜粋です。


日本の専門医制度は終わった。最初に日本専門医機構の「専門医制度新整備指針」(2016年12月)を読んだときにはそう思った。ひどい指針である。最悪と言っていい。 日本専門医機構ができたのは、日本の専門医制度と専門医に問題があるからだ。現状維持で良ければ、専門医機構を作る必要はない。

学会認定の専門医だと「学会に尽くし、学会にカネを払い、学会主催の集会に参加し(またカネを払い)、学会が出す専門誌に論文を書き(またカネを払い)、ちょちょっと試験を受けて専門医もどきになる」現状では専門医の質が保てない(保てていない)。だから、学会から独立した機構が専門医の専門医たる質を担保するために、改革が望まれたのだ。 「新整備指針」にはそのような理念はまったくない。なにが「仕組みを柔軟に運用」だ。単に骨抜きになっているだけではないか。

指針には「日本では専門医は医師の7割前後に留まっている」とある。それを増やして「みんな専門医だよ」状態にしたいのか?医師の7割も専門医である状態がそもそもおかしいのだ。他の先進国ではむしろジェネラリストのほうが多い。そして、専門医になるためのトレーニングは厳しく、ハードルは高い。だから、専門医の質の高さが担保されているのである。

日本の専門医制度は死んだ。すでに死んでいたのだが、とどめを刺されたと思う。繰り返すが、日本の専門医制度は専門医の質を担保していないから、改革を必要としたのだ。ということは、現存するシニアなドクターたちはまともな訓練を受けずに育った世代であり、そのような連中が自律的に仕組みを作れるわけがない。

今のままでは絶望的だから、機構は全員辞職してしまえばいい。海外から第一線で専門医を指導している質の高い研修制度を走らせている人たちを招聘し、明治時代よろしくアウトソーシングして、全部仕組みを作ってもらえばいい。そうすれば、日本の専門医制度も少しはましになるだろう。


岩田さんは、皆が言いたかったけど言いにくかったことを、明快に言ってくれるヒトです。今回も見事に専門医制度の「改革」を批判しています。

「専門医」を作ることで多くの学会が繁盛してきた日本の医学会ですので、この批判は正しくても、現状が変わることはないと思います。

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