アボカドと抗うつ剤は混ぜるな危険!? 正しい薬と食べ物の飲み合わせ
以下は、記事の抜粋です。
お薬を、みなさんは正しいタイミングで飲めていますか? 実は体調を良くするはずの薬が、飲むタイミングや、食べ物の飲み合わせによっては体調を悪化させる危険もあるのです。
そこで今回は薬剤師の吉澤先生に「薬と食べ物の飲み合わせ・タイミング」について解説をしていただきました。 薬と食品の相互作用 薬と食品の相互作用とは、組み合わせによっては、食品の成分が薬の効果を強めたり弱めたりなど薬の効果に影響を与えることを言います。
食品と薬の相互作用の中には危険なものあり、知らずに組み合わせの悪い薬と食品を一緒にとると思いもよらぬ副作用が出る場合もあります。薬と食品の相互作用には十分注意してください。
記事には、「薬と食べ物・飲み物の危険な相互作用」の例として、「アボカド×抗うつ剤」とかかれていて、「血圧上昇「と「頭痛」と書かれているので、アボカドと抗うつ剤の相互作用でこれらの症状が出るので危険だと書かれています。薬剤師の吉澤恵理さんという人が監修している記事だそうですが、説明も引用もありません。おそらく下に紹介した2013年1月13日の「薬剤師ネット公式ブログ」からのコピーだと思います。
この記事には「アボカド×抗うつ剤」について以下のような記載があります。
フードコーディネーターの南恵子さん(独立行政法人国立健康・栄養研究所認定 栄養情報担当者)によると、アボカドに含まれる「チラミン」という成分が抗うつ薬との相性が悪いようです。
アボカドなどに含まれるチラミンは、ある種の抗うつ薬(MAO阻害薬)を服用中に多量に食べると、頭痛や血圧があがる場合があります。
確かに、チラミンは神経終末からのノルアドレナリンの放出を促進し、間接的に血圧や心拍数の上昇などの作用を引き起こします。ここにMAOはノルアドレナリンを分解する酵素なので、MAO阻害薬を投与すると、チラミンによる血圧上昇が増強されると思います。
しかし、下の表に示したように、アボカドにチラミンが含まれているというのは、誤りではありませんが、チーズや保存肉に含まれるチラミン量と比べるとはるかに少ないです。また、現在の日本ではMAO阻害薬が抗うつ剤として使われることは稀です。MAO阻害薬よりもはるかに高頻度で使用される抗うつ剤であるSSRIでは、チラミンを同時摂取しても、血圧上昇を増強することはありません。
やはり、何らかの形で科学的証拠を示すか、証拠となる文献を引用している記事以外は信じないようにしましょう。「薬剤師」・「医師」・「教授」などの監修だからといって正しい情報とは限りません。
食品中のチラミン(tyramine)含有量(医薬品情報より)
ニシンの塩漬ND-47.0
食物名 | 含有量 | 飲食物名 | 含有量 |
チェダーチーズ(長期間醗酵) | 153.0 | ニシンの塩漬 | 47.0 |
チェダーチーズ(中期間醗酵品) | 19.2 | ||
チェダーチーズ(短期間醗酵品) | 12.0 | ニシンの塩漬の漬け 汁 | 1.51 |
プロセスチーズ | 2.6 | ホウボウ類の卵 | 0.44 |
ゴーダチーズ | 2.0 | 牛の肉汁 | 0.0858 |
ブルーチーズ | 9.3-25.6 | 鶏の肉汁 | 0.046 |
ロマノチーズ | 23.8 | 肉エキス(3銘柄) | 9.5-30.4 |
ポー・デュ・サン リュチーズ | 111.6 | サラミ | 18.8 |
スチルトン・ブルー チーズ | 217.0 | ドライソーセージ | 12.5 |
パルメザンチーズ | 0.4-29.0 | 鶏肝臓(5日目) | 5.1 |
ビール(4銘柄) | 0.65-1.12 | 鶏肝臓(1日目) | ND-0.5 |
ビール(4銘柄) | 0.145-0.452 | ソーセージ(経日) | 2.9 |
ワイン(赤・白各2 品目) | ND-0.06 | コンビーフ | 1.1 |
ワイン(赤6銘柄) | 0.035-0.441 | スモークソーセージ | 0.1 |
ワイン(白3銘柄) | 0.039-0.279 | バナナの皮 | 5.17-6.5 |
パインジュース | 0.04 | バナナの果肉 | ND-0.7 |
キャベツの塩漬 | 5.547 | アボガド | ND-2.3 |
醤油 | 0.176 | イチジク | ND |
濃口醤油 | 35.6(平均) | 米味噌 | 19.4(平均) |
淡口醤油 | 24.0(平均) | 麦味噌 | 14.6 |
牛(新鮮肝臓) | 0.54 | 豆味噌 | 9.3 |
牛(経日保存肝臓) | 27.4 | 鶏(新鮮肝臓) | 0.05 |
鶏(経日保存肝臓) | 10.0 |
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