アルツハイマー病を予測する血液検査、米チームが開発
以下は、記事の抜粋です。
将来アルツハイマー病を発症するかどうかを予測する血液検査の試験版を開発したと、米研究チームが3月9日のNature Medicine誌に発表した。血中内の脂質を「バイオマーカー」とする初の検査方法で、現在健康な人が3年以内にアルツハイマー病を発症するか否かを90%の精度で予見できるという。
Georgetown University Medical CenterのHoward Federoff教授は声明で、新たな血液検査法はアルツハイマー病リスクのある人を特定し、患者本人や家族、医師らの治療計画策定や病気への対処方法を変える可能性を秘めていると説明した。
今回、研究チームは70歳以上の健康な高齢者525人の血液を採取。3年後、初期のアルツハイマー病または健忘型軽度認知機能障害(aMCI)の症状を発症した53人について、血液サンプルを健康な53人の血液サンプルと比較した。その結果、アルツハイマー病の兆候となる脳細胞膜の代謝残留物とみられる10種類の脂質を突き止めたという。
元論文のタイトルは、”Plasma phospholipids identify antecedent memory impairment in older adults”です(論文をみる)。
アルツハイマー病を何らかのバイオマーカーで予想あるいは診断することは、今のところまだできません。本論文では、抹消血中に存在する細胞膜の統合性を反映するという10種類の脂質を測定することで、認知的に正常な高齢者が2~3年の間に軽度の認知障害や初期のアルツハイマー病に罹患するかどうかを9割の正確性で予言できるとしています。
10種類の脂質とは、phosphatidylcholine、lysophophatidylcholine、acylcarnitinesなどです。これらば正常の細胞膜を構成する化合物です。どの細胞にもあるようなものなのに、どうしてこれらの血中濃度が減るのか、減ったらその後2~3年で認知能力が低下するのは何故かの解説はありません。Nature Medicineに載ったのが不思議です。やはりインパクトの強さでしょうか?
これまでの脳脊髄液中のamyloid-β1–42、tau、リン酸化tau-181を測定するものよりも正確性が高いというのは驚きですが、自分で測りたいとは思いません。
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