従来の遺伝子組み換え作物とは違う? 新技術を用いた遺伝子”編集”作物が登場。アメリカ農務省は規制しない方針
以下は、記事の抜粋です。
遺伝子組み換え作物(GMO)は今、遺伝子編集という新しい技術のおかげで、変わろうとしている。
その最新の例は、CRISPR(クリスパー)を利用して遺伝子を編集した白いボタンマシュルームだ。アメリカ農務省によると、そのマシュルームは、バクテリアのDNAを使っているGMO植物のような危険性がないと思われるので、規制の対象としない。
マシュルームのDNAコード中の2つの文字を入れ替えただけで、酸素に触れても褐変しにくくなったのだ。しかし、その変化はマシュルーム自身の遺伝子だけで起きており、他の生物のDNAはいっさい加えられていない。
過去5年間で30件の、何らかの形で遺伝子編集技術が関わった作物が登場したが、マシュルームはその一つにすぎず、アメリカ農務省は、この例のように自分のDNAを改変しただけの作物を問題視していない。
農務省の動植物健康検査サービス(APHIS)はマッシュルームの作成者に宛てた4月13日付けの書簡で、次のように声明している: 「APHISにはCRISPR/Cas9ホワイトボタンマシュルームが有害植物であると信ずべき理由がない。したがって、同様の質問状に対する前回の応答と同じく、APHISはCRISPR/Cas9により編集されたホワイトボタンマシュルームが、2015年10月30日の貴書簡に記述されているように、連邦規則集第340部により規制されるべきとは見なさない」。
日本ではの「遺伝子編集」に対する取組みは、極めて遅れています。文科省や農水省から統一した見解や指導は全くありません。大学での研究も恐々やっている感じで、地方大学は何となく自主規制ムードだそうです。
生物多様性にはGMOと同様の脅威がありそうにも思えますが、他種のDNAが入らない「ゲノム編集」は、どう考えても日本の「カルタヘナ法」には引っかかりません。
アメリカは、遺伝子組み換え作物(GMO)を規制する「カルタヘナ議定書」も批准していません。このままでは、遺伝子改変技術とその成果における日本とアメリカの格差はどんどん広がると思います。
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