「認知症の傾向」の高齢受刑者は14%-法務省調査

「認知症の傾向」の高齢受刑者は14%-法務省調査
以下は、記事の抜粋です。


60歳以上の高齢の受刑者の14%に認知症の傾向が見られることが、法務省の調査で分かった。60歳以上の受刑者は全国に9700人余りいることから、認知症の傾向が見られる高齢の受刑者は、全国で約1300人いると推計されるとしている。

法務総合研究所によると、2012年末段階で全国の受刑者のうち、認知症か認知症の疑いと診断された人は、125人だった。ただし、この数字には認知能力の低下を疑われても医師による診断を受けていない受刑者の数は含まれておらず、認知能力が低下した受刑者の数は、実際はもっと多いとする指摘も上がっていた。

こうした状況を受け、法務省では全国の60歳以上の受刑者から451人を無作為に選び、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)によって、受刑者を調べた。

その結果、HDS-Rを実施できた429人のうち、認知症の傾向があると判断できる受刑者は13.8%に相当する59人いた。調査対象を65歳以上(305人)に絞ると、その割合は16.7%まで上がった。

法務省ではこの分析結果を元に、60歳以上の受刑者では約1300人に、65歳以上の受刑者では約1100人に、認知症の傾向があると推計している。 厚生労働省の推計では、2012年段階で約462万人に達した認知症の人は、25年には1.5倍の約700万人にまで増加すると予測。さらにMCI(正常と認知症の中間)状態の人も、12年段階で約380万人いるとしている。


65歳以上の高齢者の認知症の割合は下記の通りです(厚生労働省研究班推計(2013))。

・65~69歳  2.9%
・70~74歳  4.1%
・75~79歳 13.6%
・80~84歳 21.8%
・85~89歳 41.4%
・90~94歳 61.0%
・95歳以上 79.5%

認知症にはアルツハイマー型だけではなくレビー小体型もあり、長谷川式では検出できない異常のために社会生活に不適応になる場合もあります。具体的には、記憶は大丈夫でも、妄想のために行動が異常になったりします。その結果、事件を起こして逮捕され、受刑者になることもあるでしょう。昨日のブログ記事に関係あるかも?

犯罪を犯した者を裁判にかけ、刑事施設に収容して社会から隔離するというこれまでのシステムが、高齢化によってその有効性を失いつつあるのかもしれません。

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