帯状疱疹ワクチンは心臓病、認知症、死亡のリスクも低下させる可能性

帯状疱疹ワクチンは心臓病、認知症、死亡リスクの低減にも有効
学会発表レベルのエビデンスですが、興味深い報告です。以下は、記事の抜粋です。


帯状疱疹ワクチンは中年や高齢者を厄介な発疹から守るだけではないようだ。新たな研究で、このワクチンは心臓病、認知症、死亡のリスクも低下させる可能性が示された。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国では3人に1人が帯状疱疹に罹患することから、現在、50歳以上の成人には帯状疱疹ワクチンの2回接種が推奨されている。帯状疱疹は、水痘の既往歴がある人に発症するが、CDCは、ワクチン接種に当たり水痘罹患歴を確認する必要はないとしている。1980年以前に生まれた米国人の99%以上は水痘・帯状疱疹ウイルスに感染しているからだ。

水痘・帯状疱疹ウイルスは、数十年間にわたって人の免疫システム内に潜伏し、その後、再び活性化して帯状疱疹と呼ばれる痛みやチクチク感、痒みを伴う発疹を引き起こす。水痘への罹患経験がある人なら年齢を問わず帯状疱疹を発症する可能性があるが、通常は、ストレスにさらされ、免疫力が低下している50歳以上の人に多く発症する。

ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部のAli Dehghani氏らは、米国の107の医療システムから収集した17万4,000人以上の成人の健康記録を分析し、帯状疱疹ワクチン接種者の健康アウトカムをワクチン非接種者のアウトカムと比較した。ワクチン接種者は接種後3カ月〜7年間追跡された。

その結果、帯状疱疹ワクチンの接種により、以下の効果が得られる可能性が示された。

・血流障害による認知症のリスクが50%低下
・血栓のリスクが27%低下
・心筋梗塞や脳卒中のリスクが25%低下
・死亡リスクが21%低下


Dehghani氏は、「帯状疱疹は単なる発疹ではない。心臓や脳に深刻な問題を引き起こすリスクを高める可能性がある。われわれの研究結果は、帯状疱疹ワクチンが、特に心筋梗塞や脳卒中のリスクがすでに高い人において、それらのリスクを低下させる可能性があることを示している」とニュースリリースの中で述べているそうです。

始めにこの記事をみた時には、認知症リスクが半分に減るのかと思って驚きましたが、血流障害による認知症ということで納得しました。日本の複数の情報源によると、認知症全体のうち血管性認知症が 約20%前後 を占めるとされています。

あと、気になるのは帯状疱疹ワクチンには2種類あって、効果にも差があるとされていることです。詳細は論文での報告を待ちたいと思いますが、重要なニュースだと思います。

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