米製薬会社の若き経営者、AIDS治療薬をいきなり50倍の値上げ
以下は、記事の抜粋です。
Turing Pharmaceuticalsという製薬会社が、これまで他社が有してきたAIDS治療薬「Daraprim」の権利を取得した上で、販売価格をいきなり、これまでの1錠13.5ドルから750ドルに、55倍の値上げを実施したことが大きな批判を集めている。
同社のMartin Shkreli氏(CEO)は、テレビ番組に出演し「我々は、製薬会社として、販売利益を上げる必要がある。以前、この医薬品を販売していた企業は単に、元値で販売を行っていただけだった」と述べ、また、治療薬の大幅な値上げにより治療に支障がでるAIDS患者が生じるのではないかといった質問に対しては「値上げ後の販売価格であってもAIDS治療薬としては比較的安価なものに属する」と述べた。
Daraprimは1953年に認可されたトキソプラズマ症などの感染症の治療薬で、その後AIDSにも有効であることからAIDS治療薬としても使用されてきた。
Turing Pharmaceuticalsが行ったAIDS治療薬の大幅な値上げの決定を受けて、民主党の大統領候補となるヒラリー・クリントン氏は早々に、当選後は、製薬会社の値上げの実施に対しては制約を課すことを表明。この発言が元となり、月曜の株式市場では製薬会社の株価が軒並み値下がりを起こすなど、一製薬会社が行った値上げの決定は早くも様々な方面に波及している。
日本では、保険診療における医薬品の価格は、国(厚労省)が価格を決め「薬価基準」と呼ばれる価格表に載せます。その後は2年ごとに改定され、通常はどんどん安くなります。アメリカでは製薬会社が自由に薬の価格を決められるとは知りませんでした。
逆の問題として、薬の価格が安くなり過ぎると希少疾患の場合、製薬会社が儲からないので製造を止めるという可能性もあります。最近のニュースによると、Shkreli氏は「Daraprim」の値上げ幅を小さくすると言っているそうです。今後の展開を見守りたいと思います。
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