2年ごとの便潜血検査は、1回の大腸内視鏡検査に対して非劣勢


大腸がん死亡率への効果、1回の大腸内視鏡検査vs.2年ごとの便潜血検査
以下は、記事の抜粋です。


大腸がん検診への参加率は、大腸内視鏡検査より免疫学的便潜血検査(FIT)のほうが高い。スペイン・バルセロナ大学のAntoni Castells氏らが、無作為化比較非劣性試験「COLONPREV試験」の結果を報告した。

試験適格者はスクリーニングへの招待前に、1回の大腸内視鏡検査群、または2年ごとのFIT群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。主要エンドポイントは、10年時大腸がん死亡率、重要な副次エンドポイントは10年時大腸がん発生率など。

10年時大腸がん死亡率FIT群0.24%、大腸内視鏡検査群0.22%で、FITは非劣性
その結果、10年時大腸がん死亡リスクに関して、FITの大腸内視鏡検査に対する非劣性が認められた。大腸内視鏡検査群では0.22%(死亡55例)、FIT群では0.24%(死亡60例)であり、リスク差は-0.02、リスク比は0.92であった(非劣性のp=0.0005)。


元論文のタイトルは、”Effect of invitation to colonoscopy versus faecal immunochemical test screening on colorectal cancer mortality (COLONPREV): a pragmatic, randomised, controlled, non-inferiority trial(大腸癌死亡率に対する大腸内視鏡検査への招待と糞便免疫化学検査によるスクリーニングの効果(COLONPREV):実用的無作為化比較非劣性試験)”です(論文をみる)。
別の記事では、日本では、FITによる1次検診から精密検査の内視鏡検査へ誘導する方法が行われていますが、住民検診におけるFIT受診率は20%で、そのうち便潜血陽性でも精密検査である大腸内視鏡検査を受けているのは60%だそうです。そのためか、内視鏡による大腸がん検診受診率が約70%のアメリカと比べて、人口は1/3以下にもかかわらず、大腸がん死亡数が多いというのが現状です。

検診で発見される大腸がんのうち7割が早期がんで根治可能ですので、FITによる1次検診と便潜血陽性の場合の内視鏡受診の両方の受診率の向上が、大腸がんによる死亡を減らすために重要だとされています。

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