NHK女子アナウンサーが精子を溜める危険性を解説「1週間に3回から4回がいいそうなんです」
以下は、記事の抜粋です。
「男性が日ごろから注意すべき点」に話は進み、進行の鎌倉千秋アナウンサーが、男性不妊治療専門の医師によるアドバイスを読みあげた。
「精子を何日も溜めないことをあげていらっしゃいました」と真顔で読み上げる鎌倉アナに、ナビゲーターの予防医学研究者・石川善樹氏が具体的な日数を聞いた。すると鎌倉アナは「1週間に3回から4回がいいそうなんです」と返答した。
この「男性不妊治療専門の医師」がどのような根拠に基づいてアドバイスしているのかを調べたのですが、よくわかりませんでした。調べる過程で「射精回数と前立腺がん」の以下のような記事が気になりました。
前立腺ガン予防の秘訣は“週5回の射精”
以下は、記事の抜粋です。
メルボルンのグラハム・ジレス博士のグループは、前立腺ガン患者に対し、性生活に関するアンケートを実施した結果、より射精する人ほど前立腺ガンになりにくいと分析している。そしてジレス博士によると、週に5回以上射精していた男性は、前立腺ガンを発症する確率が3分の1にまで減少するという。
このグラハム・ジレス博士の論文は2003年に発表されたものです(論文をみる)。また、射精回数と前立腺がんリスクを調べた学術論文は、2004年にもう1つだけありました(論文をみる)。
ジレス博士の論文は、若い年代(20歳台)での射精回数が前立腺がん発生率と逆相関すると結論していますが、2004年のハーバードのグループによるJAMAの論文は、射精回数が増えると前立腺がんになりやすいという仮説を否定しているだけで、逆相関については「がんの症状のために射精回数が減る可能性」などの交絡因子を指摘して逆相関があるとは結論していません。
性的興奮で男性ホルモン分泌が亢進すれば前立腺肥大やがんのリスクは増えるのではということで、「射精回数が増えると前立腺がんになりやすいという仮説」もあり、ハーバードの研究はこれを検証するために行われたようです。
ということで、これまでの研究をみる限り、少なくとも中高年の場合、前立腺がん予防のために“週5回の射精”をするように努める意味はないと思われます。安心して禁欲生活をお過ごしください。
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