今、重症化リスクの低い人の受診制限と企業や学校による陰性証明の廃止が求められています

「重症者は少ないという淡い期待は打ち砕かれた」第6波を超えた重症者
以下は、埼玉医科大学総合医療センターの岡秀昭氏がm3というサイトに投稿された記事の一部です。政治がやるべきことについてまったく同感ですが、政府や自治体はやらないと思います。


政治は「受診制限」呼びかけを

このような(重傷者が増え、小児科・外来・救急も逼迫している)状況で、今まで通りの医療を受けることは残念ながら難しい。まずはこの前提を国民と共有する必要がある。

今、発熱外来などには家族がコロナ陽性となった人や、発熱や喉の痛みを訴える患者であふれている。このような感染急拡大の局面で、同居家族にコロナ患者がいれば、その人がコロナに感染していることはほぼ間違いない。そのため検査も不要、「みなし診断」で十分だ。

現在、新型コロナはまん延しており、全員を検査し、隔離するフェーズにはない。重要なのは重症化リスクがある人をいち早く見つけ、的確な治療を行うことにある。重症化リスクの低い人は受診をしないでもらいたい、それが現場で働く医師として願うことだ。

とはいえ、いきなり「受診をしないでもらいたい」と言われたら困惑する人も少なくないだろう。これまでの日本の医療では、いつでも医療にかかれることが当たり前だったため、こうした受診制限のハードルはひときわ高いのも事実だ。だからこそ、ここは政治の出番だ

企業や学校などに陰性証明や陽性証明を求めることをやめるよう、しっかりと呼びかけもすべきだろう。ただでさえ、医療現場に余裕がない中で、そうした対応に割けるパワーは残っていない。

より多くの人の命を救うために何が必要か、政治が国民一人一人に現状をしっかりと伝えるべきだ。「行動制限」を行わないことと引き換えに、こうした「受診制限」を呼びかけるのも一案だ。当然、「万が一のことがあった時、誰が責任を取るのか」という声も上がるだろう。その時、責任を取るのが政治の役割ではないだろうか。

コロナ対応の現場における重症化リスクの判断は極めて機械的だ。年齢、ワクチン接種歴、基礎疾患、そして体重・身長からBMIを算定する。こうした要素を基に、誰もが簡易に自分の重症化リスクを確認可能なサービスをオンラインアプリなどで提供することも受診を制限するために検討すべきだろう。

現在の状況がこのまま続けば医療がもたないということを、もっと多くの人に知ってもらう必要がある。

「行動制限は行わない」方針自体には反対しない、しかし…

新型コロナを季節性インフルエンザのように扱い、感染者数増加は許容し、社会経済活動を回していくのであれば軽症者が増加することは当然の結果だ。であれば、本来は軽症者が発熱外来へ殺到しない仕組みを整備しておく必要がある。

また、3回目接種から時間が経過する中で、感染拡大が起きれば医療従事者の離脱が増加するのも事前に予想されていた。社会経済活動を回していきたいのであれば、なおさら現場で働く人々への4回目接種は迅速に進めておくべきだった。さらに、3回目接種や小児へのワクチン接種の加速も必要だ。

感染者数が急増すれば社会機能の維持が難しくなることは明らかだ。濃厚接触者の待機期間短縮も、本来は感染拡大が起きる前に検討すべきトピックだ。

現在の対応は全てが後手後手となっており、あまりに準備不足感が否めない。こうした準備を一つ一つ進めた上で、初めてウィズコロナは可能となるのだ。

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