オプジーボ(一般名:ニボルマブ)の肺扁平上皮がんに対するドセタキセルを対照薬とした2次治療の第Ⅲ相臨床試験(Checkmate-017試験)を早期に終了
以下は、記事の抜粋です。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、本日、治療歴を有する進行期の肺扁平上皮がんに対する、ドセタキセルを対照薬として評価する非盲検無作為化第Ⅲ相臨床試験を早期に終了したことを発表しました。これは、オプジーボ投与群が対照群に対して優れた全生存期間を示し主要評価項目を達成したと結論付けられたためです。
Checkmate-017試験の治験担当医師に対して、対照群部分の試験終了の決定が通知されました。試験では、272名の患者さんが、オプジーボを3 mg/kgを2週間に1回静脈内投与する群、またはドセタキセル75 mg/m2を3週間に1回静脈内投与する群のいずれかに無作為化され割り付けられました。主要評価項目は全生存期間であり、副次的評価項目には客観的奏効率や無増悪生存期間が含まれています。
オプジーボ®(一般名:ニボルマブ、抗PD-1抗体)については、下記のようにいくつかの関連記事を書きましたので、興味を持たれた方はそちらをご覧ください。
関連記事にあるように、抗PD―1抗体の臨床試験は、Johns Hopkins大のSuzanne Topalian教授が主導して、296人を対象に行われました。その結果、非小細胞肺がん患者18%、メラノーマ患者28%、腎臓がん患者27%の腫瘍が著しく縮小した。さらに被験者の5~9%に6か月以上の病状安定がみられたという結果です。イピリムマブとの併用により、その効果は有意に増強されました(記事をみる)。この併用による著明な効果が「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー」として評価されました(記事をみる)。
「早期終了した臨床試験では治療効果がしばしば誇張される」ということはあるようですが、がん免疫を抗体で非特異的に増強するという戦略が、日本でも一番多いタイプの肺がんに有効かもしれないというニュースは見逃せないと思います。
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コメント
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ブログを読みました。
大変、貴重な情報ありがとうございます。
ALK肺癌の方にはPD-L1が高発現するとの記事を読んだ事があります。
しかし、そうでもないと言う事になるんですね。日本で早くALK遺伝子異常の肺癌に使えるとありがたいです。