体丸み指数(body roundness index;BRI)

心血管疾患リスクの予測にはBMIよりも体丸み指数が有用
以下は、記事の抜粋です。


過体重が人の心臓の健康に与える影響を予測する上では、「体丸み指数(body roundness index;BRI)」の方がBMIよりも優れた指標である可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。

6年にわたって継続的にBRIが高かった人では低かった人に比べて、心血管疾患(CVD)リスクが163%高いことが示されたという。

2013年に提唱されたBRIは、ウエスト周囲径と身長を基に算出する腹部肥満の指標で、BMIやウエスト周囲径などよりも体脂肪や内臓脂肪の割合を正確に反映すると考えられている。一方、従来から使われているBMIは体重と身長のみから算出する。そのため、筋肉量が非常に多い人では値が高くなることもある。

この研究では、CHARLS(中国の健康と退職に関する長期研究)の参加者9,935人を対象に、2011年から2016年の間のBRIの推移と2017年から2020年の間のCVD発症(脳卒中、心臓イベント)との関連を調査した。参加者の平均年齢は58.85±9.09歳で、男性5,263人、女性4,672人だった。2011年から2016年の間のBRIの推移に基づき、参加者を、低いBRIを維持していた群(低BRI群)、中程度の高さのBRIを維持していた群(中BRI群)、高いBRIを維持していた群(高BRI群)の3群に分類した。

その結果、低BRI群に比べて中BRI群と高BRI群ではCVDリスクがそれぞれ61%と163%有意に上昇することが示された。このような有意なリスク上昇は、参加者の人口統計学的属性や病歴、血圧などの健康指標等を調整した後も認められた。


日本の健康診断では、身長と体重と腹囲(へその高さで腰まわりを測定した値)が測定されています。この腹囲が男性は85cm、女性は90cmを超えると「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」と指摘されます。しかし、この腹囲については、厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大学教授(当時))は、腹囲の数値によって、心筋梗塞や脳梗塞の発症の危険性を明確に判断できないとする大規模調査の結果を2010年に発表しました。しかし、見直しは行われていません。

一方、この「体丸み指数(body roundness index;BRI)」は、腹囲ではなく胴囲(ウエスト)から以下のような式で計算されます(元記事をみる)。いずれにしても、内臓脂肪は万病の元ですので、貯めないようにしましょう。

BRI を計算する日本語で Body Roundness Index 計算機という便利なサイトもあります。

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