“Chinese restaurant syndrome”は否定されています。「味の素」は”体によくない”は間違いで、「塩」と同じレベルのリスクしかありません。

なぜ「味の素」は“体によくない”と批判されたのか…日本人が「うま味調味料」を使わなくなった意外な経緯
以下は、記事の抜粋です。


1909年の発売以来、賛成派と反対派による論争が続いている、うま味調味料の「味の素」。いったいなぜ、うネガティブなイメージを持つ人が増えたのだろうか?

引き金になったのは、1968年にイギリスの医学雑誌「The New England Journal of Medicine」に掲載された「チャイニーズ・レストラン・シンドローム(中華料理店症候群)」と題する報告だった。その内容は、中華料理を食べたあとに頭痛や発汗、しびれなどの症状が多数起きているというものだった。さらにその原因の1つとして、中華料理に多く含まれるグルタミン酸ナトリウムの可能性が示唆されていた。翌1969年、グルタミン酸ナトリウムをマウスに皮下注射した実験を通して、その害が指摘された。

1960年代後半は食品添加物や公害の問題が表面化し、化学物質の弊害が人々に広く共有されていった時代である。当時の「化学調味料」という呼び方もあだになった。科学への不信感によってネガティブなイメージへと反転してしまったのだ。

結局、その後の実験を通じ、グルタミン酸ナトリウムと症状との関連は証明できないとの結論に達した。国連食糧農業機関(FAO)とWHOによるFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は1970年代から数度にわたる審査を繰り返し、1987年には1日の摂取許容量を制限する必要がない安全な添加物であるとのお墨つきを与えている。

しかし、いったん広まった不信感が消えることはなかった。業界は1985年(昭和60)に名称を「化学調味料」から「うま味調味料」に変えたものの、時すでに遅しだった。200万部を超えるベストセラーになった『買ってはいけない』(1999年)でもやり玉に挙げられ、論争はくすぶり続けた。

その影響はじわじわと市場に現れた。うま味調味料への年間の支出額は1968年(昭和43)の1345円をピークに減少の一途をたどっている。そして1999年(平成11)の261円を最後に、以降は「他の調味料」に吸収されてしまっている。

うま味調味料の代わりに需要を伸ばしてきたのが、顆粒(かりゅう)だしやコンソメ、液体だし、めんつゆなどの調味料である。なかでもめんつゆは、1960年には年間2000キロリットルの販売量だったのが、1975年には2万キロリットルを突破し、10倍も伸びた。

その後も市場は拡大を続け、1994年(平成6)に約11.4万キロリットルと10万リットルの大台に乗り、2007年には20万キロリットルを超える急成長を遂げてきた。ここ10年ほどは23万キロリットル前後で推移している。

だが、これらの商品の原材料表示をよくみると、「調味料(アミノ酸等)」と書かれていることが多いのに気づく。アミノ酸系の調味料といえば、代表的なのはグルタミン酸ナトリウムである。つまり、粉末の形では目にしてはいないものの、知らず知らずのうちにグルタミン酸ナトリウムを日常的に使っている可能性が高いということだ。

だからといって、だしの素やめんつゆがよくないと糾弾したいのではない。結局のところ、多くの人がいかにも人工的な感じがする白い粉をなんとなくイメージで避けているにすぎないということだ。


私は不勉強にも、学生時代に講義で聞いた”Chinese restaurant syndrome”が、数多くの2重盲検法による臨床試験によって否定されたことを知りませんでした。そのため、中華料理を食べた後に生じる眠気や胃もたれ感をこの病気の症状だと思っていました。今後は、安心して「化学調味料」を使います。

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