90%以上の効果を持つHIV予防薬「ツルバダ」による暴露前予防投薬の問題とは?
以下は、記事の抜粋です。
HIV感染を、予防薬を服用することで事前に防止することを「PrEP(Pre-exposure prophylaxis)」と呼び、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が推奨していますが、2014年5月にCDCがHIVを90%以上予防するFDA承認薬「ツルバダ」を使った「PrEPのガイドライン」を発表したことが話題になっています。ツルバダは2012年にFDAが承認した、1日1錠服用することでHIV感染を90%以上予防できるHIV予防薬です。年間費用は1万3000ドル(約131万6000円)です。
アメリカ各紙はツルバダによる暴露前予防投薬について「投薬がエイズ予防法を変える」という風に報道していますが、Slateが「奇跡の薬」と表現するなど、「治療薬」と誤解を招く表現も使われています。
HIVを高確率で予防できるツルバダは、HIVだけに限れば完治方法のないウイルス感染を効果的に防ぐことができるわけですが、使用することによるコンドーム着用率への影響などがあるため、一概に「夢の予防薬」というわけではありません。
PrEPもツルバダも知らなかったので調べてみました。
ツルバダ(Truvada)は、核酸系逆転写酵素阻害薬であるエムトリシタビン(emtricitabine)とフマル酸テノホビルジソプロキシル(tenofovir disoproxil fumarate)の合剤で、略号はTDF/FTCです。ギリアド社(Gilead Sciences Inc.)の開発、日本たばこが国内導入、鳥居薬品が販売、薬価は1錠 3,862.8円です。
エイズのウイルスHIVはRNAウイルスです。逆転写酵素はウイルスRNAをDNAに変換し、その結果ウイルスの遺伝情報がヒトのDNAに組み込まれます。逆転写酵素を阻害すればHIV感染は防げるはずです。しかし、HIVをなくすことはできません。
探したところ、以下のニュース(2012年07月17日)が見つかりました。日本での承認は難しいかもしれません。
コメント