ジニ係数

ジニ係数とは?日本のランキング推移と世界との所得格差の原因を解説
「ジニ係数」という係数が「所得や資産がどれくらい平等に分けられているか」を可視化するために考案された所得格差の度合いを測る指標として国際的に使われていることを全く知らなかったので紹介します。以下は、記事の抜粋です。


Corrado Gini

ジニ係数の名前は、ジニ係数を考案したイタリアの統計学者Corrado Giniに由来しています。ジニ係数は0〜1の間の数字によって示されます。値が0に近いほど所得格差が小さく、値が1に近いほど所得格差が大きい状態です。

つまり、
ジニ係数が0→ある集団の所得が完全に均一で全く格差がない状態
ジニ係数が1→ある集団の中でたった1人が所得を独占している状態

ジニ係数は2種類ある
ジニ係数には「当初所得ジニ係数」と「再分配所得ジニ係数」の2種類があります。どちらのジニ係数も、前年1年間の所得から算出します。

当初所得ジニ係数
「当初所得ジニ係数」は、税金の徴収や社会福祉による給付金を差し引く前の給与から計算します。つまり、当初所得ジニ係数からは実際に稼いだ金額での所得の格差を見ることができます。

再分配所得ジニ係数
「再分配所得ジニ係数」は税金の支払いや社会福祉などによる「所得の再分配」後の収入で計算します。つまり、再分配所得ジニ係数からは、税金や社会保険料の控除、年金や医療・介護などの社会保障による給付、児童扶養手当などを加えた、実際に手元に残るお金の額での格差を見ることができます。

日本では厚生労働省が3年に1度、所得の再分配調査を行い、ジニ係数などが発表されます。

ジニ係数の警戒ライン
ジニ係数には「警戒ライン」というものが存在します。一般的には0.4が警戒ラインとして設定されており、その数値を越えると暴動や社会騒乱が増加すると言われています。

ジニ係数でみる日本と世界の所得格差の現状
国連によると、新型コロナウイルス感染症などにより、世界経済の回復は強い逆風に直面しています。このような世界の経済状況から、国連は特に国力の弱い国において貧困がさらに拡大すると予測しています。世界のさまざまな地域において、雇用と所得の回復は一様ではなく、所得の不平等が悪化しているのです。

世界の所得格差の現状
「世界不平等レポート2022」によると、2020年は裕福層が保有する世界の収入・財産の割合は史上稀に見る大きさとなりました。世界の所得格差の現状は、悪化傾向にあるということです。

上のグラフのようにジニ係数は全体的に見ると緩やかに上昇し、先進諸国でも所得格差は大きくなる傾向にあります。世界の先進国の中ではアメリカがジニ係数0.35以上と最も高く、続いてイギリス、日本、イタリア、ニュージーランド、カナダがジニ係数0.3以上で比較的所得格差の大きい国と評価できます。
上のグラフのようにジニ係数は全体的に見ると緩やかに上昇し、先進諸国でも所得格差は大きくなる傾向にあります。世界の先進国の中ではアメリカがジニ係数0.35以上と最も高く、続いてイギリス、日本、イタリア、ニュージーランド、カナダがジニ係数0.3以上で比較的所得格差の大きい国と評価できます。

以下は、2019年時点での、世界のジニ係数ランキングです。

南アフリカ 0.62
ブラジル 0.48
コスタリカ 0.48
チリ 0.46
メキシコ 0.42
ブルガリア 0.40
トルコ 0.40
米国 0.40
イギリス 0.37
リトアニア 0.36
ラトビア 0.34
イスラエル 0.34
ルーマニア 0.34
韓国 0.34
日本 0.33

続いて日本国内の所得格差の現状を見ていきましょう。

日本の所得格差の現状
先ほど「世界の所得格差の現状」の後半で、日本は先進国の中でも比較的ジニ係数の高い国に入っていることがわかりました。それでは日本の所得格差の現状はどうなっているのでしょうか。
上のグラフのように、当初所得ジニ係数は1980年以降、高くなる傾向にあり、所得の再分配前の値では所得格差は大きくなる傾向にあります。しかし、再分配所得ジニ係数を見ると、1990年代にやや高くなりましたが、2000年代に入ってからはおおむね横ばいが続いています。
日本のジニ係数から見る所得格差の拡大は、人口に占める高齢者の割合が増えていることが大きな要因であると考えられます。高齢になるにつれ、離職する人が増えるため、当初所得ジニ係数は高くなります。


確かに、ジニ係数1の状態は働いても給料がもらえず、頂点に立つたった1人が所得を独占するのは良くないですが、ジニ係数0の状態も、いくら働いても、いくら怠けても同じ給料というのも良くないです。

困窮している人の生活の安心を保障する社会福祉と、意欲・能力の高い人の意欲を削がない程度の税制度が重要なことが良くわかりました。ただ、税金の無駄遣いと脱税はやめて欲しいと思います。

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