嘘を高確率で見抜く方法、イギリスの研究者が明かす 特別な道具は必要なく……
あまり使うことはなさそうですが、簡単で有効そうな方法です。以下は、記事の抜粋です。
英ポーツマス大学などの研究者たちが、効果的に相手の嘘を見破る方法を論文で明かした。
コツは質問する際、何か複雑なタスクを同時進行で相手にこなさせることだという。100名以上の参加者を募って実験したところ、難しい記憶タスクを同時に与えられた話し手は、聞き手から嘘を見破られることが多くなった。矛盾のない主張を考えるだけの思考力の余地が奪われたと研究チームは考えている。
この発見は、日常生活にすぐに取り入れることもできそうだ。相手が言い逃れるかもしれない重要な質問がある場合、その相手が別のタスクに集中しているタイミングを狙って質問を仕掛けることで、巧妙な言い逃れを防止できるだろう。
嘘をつくことに集中できない場合、その嘘はかなりバレやすくなるようだ。実験では164人の参加者を2グループに分け、片方には真実を、他方には嘘を語ってもらった。質問者側は真実と嘘を見分けるのに苦労したが、複雑な英数字を覚えておくタスクを回答者に課すと、途端に見抜ける確率が上昇したという。
参加者たちはまず、研究チームと面談を行い、自分の正直な考えを明かした。ニュースなどで議論を呼んでいる各種テーマに対し、どの程度賛成または反対の立場なのかを正直に話した。「女性は中絶の権利を有するべきである」や「重犯罪において死刑は法的に認められるべきである」など20のシリアスなテーマが研究チーム側から示され、これらへの率直な意見を述べている。
このアンケートへの回答結果をもとに、個人ごとに主張すべき立場が割り振られた。各人が賛成あるいは反対の立場を最もはっきり主張した3つのテーマに関し、「自分の立場を正直に話す」または「偽って逆の立場を主張する」のいずれかがランダムに割り振られた。
参加者はそれぞれ、指定された意見を別の聞き手に対して主張したが、聞き手側は真偽を見抜くのに苦労したという。話し手はかなり巧妙に自分の立場を偽ることができ、どの主張もあたかも本心のように聞こえたようだ。
そこで研究チームは次の段階として、英数字混合の7桁のナンバープレートを覚えておくという指示を話し手側に与えた。すると、聞き手は嘘と真実を直観的に見破る機会が増えたという。嘘を話している際にはもっともらしい響きが失われ、内容もあいまいで具体性を欠くことが多くなったことから、明らかに嘘だと見破りやすくなったようだ。
実験計画を策定したアルダート・フライ教授は、「これまでの我々の研究により、嘘をつく側の人々が何を発言するか考えるだけの十分な機会をもっている限り、真実も嘘も同じくらいもっともらしく聞こえることがわかっています。」しかし、熟考する余裕さえ奪ってしまえば、上辺だけの返答は容易に見抜けるようになるという。
元論文のタイトルは、”The Effects of a Secondary Task on True and False Opinion Statements(二次課題が本当と嘘の意見陳述に与える影響)”です(論文をみる)。以下は、論文の結論です。
この結果は、面接に二次的課題を導入することで嘘の発見が容易になることを示唆しているが、そのような課題は慎重に導入される必要がある。二次的タスクは、ウソつきがそれを無視しない場合にのみ効果的であると思われる。これは、(今回の実験のように)二次課題が重要であることを被検者に伝えるか、被検者が無視できない二次課題(例えば、物をつかむ、物を空中に浮かせる、車のシミュレーターを運転する)を導入することで達成されます。これらの条件を満たさない二次課題は、真実を語る人と嘘を語る人の区別を容易にすることはできないだろう。
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