意外と知らない相互作用 グレープフルーツ
以下は、記事の抜粋です。
Question
グレープフルーツ、果実の色がピンクと白で相互作用の強さは異なる?
Answer
ピンクよりも白色の果実で、相互作用が強い可能性があります。
グレープフルーツの相互作用は、フラノクマリン類が原因物質として特定されていますが、フラノクマリン「類」という文字のとおり、基本的な骨格は同じであっても側鎖が異なるものや代謝物などを含めると、数十種類も発見されています。それらのなかでも、ベルガプテンやクエルセチンは強力なCYP3A4阻害作用をもつとされています。
また、グレープフルーツの種類によってもこれらの含有量は変化します。ピンク色の果実のグレープフルーツよりも白色のもののほうがフラノクマリン類を多く含んでおり、また実よりも皮に多く含まれることがわかっています。アムロジピンはインタビューフォームに「240~250mLのグレープフルーツジュースと5~20mgのアムロジピンの相互作用は有意差がないか、軽度である」と記載されていますが、これらのことから、グレープフルーツがアムロジピンの血中濃度を本当に上昇させないとは言い切れないため、添付文書の相互作用の欄にはグレープフルーツの文字があります。
以下は、大日本住友製薬が以前に発表していたとされるデータです。これが正しいとすると、ピンクグレープフルーツならアムロジピンと飲んでも良さそうです(自己責任でお願いします)。
商品名 | 一般名 | AUC | Cmax |
---|---|---|---|
ノルバスク アムロジン |
アムロジピン | 1.08~1.16倍 | 1.07~1.15倍 |
ランデル | エホニジピン | 1.67~1.7倍 | 1.26~1.55倍 |
アテレック | シルニジピン | 2.3倍 | |
ペルジピン | ニカルジピン | 1.34~1.97倍 | 1.24~1.53倍 |
バイミカード | ニソルジピン | 1.98~4.55倍 | 3.06~4.92倍 |
バイロテンシン | ニトレンジピン | 1.40~2.06倍 | 1.40~1.99倍 |
アダラート セパミット |
ニフェジピン | 1.08~2.03倍 | 1.04~1.94倍 |
ニバジール | ニルバジピン | ND | ND |
コニール | ベニジピン | 1.59倍 | 1.73倍 |
カルスロット | マニジピン | 2.31~2.44倍 | 2.35~3.07倍 |
カルブロック | アゼルニジピン | 3.32倍 | 2.54倍 |
ムノバール スプレンジール |
フェロジピン | 1.43~3.34倍 | 1.70~4.35倍 |
サプレスタ ベック |
アラニジピン | ND | ND |
ヘルベッサー | ジルチアゼム | 1.03~1.10倍 | 1.02~1.07倍 |
ワソラン | ベラパミル | 1.28~1.42倍 | 0.85~1.61倍 |
※アゼルニジピンは併用禁忌薬物です。大日本住友製薬 医療情報サイト カルグレより一部抜粋並びに改変(グレープフルーツジュース:200~400ml摂取時 剤形(徐放剤等)違いは影響しない)
コメント