意外と知らないマクロライド系抗菌薬の副作用…蠕動運動の更新

マクロライド系薬の副作用として下痢が多いのはなぜ?
以下は、記事の抜粋です。


エリスロマイシンは、抗菌作用を示す濃度よりも低い濃度で消化管蠕動ホルモンのモチリン受容体のアゴニストとして作用します。モチリンは、胃や十二指腸に最も受容体が多く存在しており、それらの収縮を起こします。そして、下部消化管へも伝播することで腸液や内容物を大腸へ運ぶように蠕動運動が促進されます。つまり、マクロライド系薬は消化管を動かす作用があるためです。

そのため、マクロライド系薬には下痢の副作用が多いのですが、制吐作用としてメトクロプラミドと同程度とする報告もあることから、制吐薬や便秘薬のリード化合物にできないか創薬研究もされています。


私は、抗菌薬服用での下痢は、腸内細菌が死滅することの間接的作用だと思っていました。

マクロライド系抗生物質には、エリスロマイシンの他に、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジョサマイシんなどがあります。細菌のリボソームでのタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑えることで効果を発揮します。肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効果があるとされています。

ただし、ジョサマイシンには上記のモチリン様作用はないとされているので、マクロライド系抗生物質すべてに当てはまる話ではなさそうです。

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