血圧に効果…キッコーマン、初のトクホしょうゆ
以下は、記事の抜粋です。
キッコーマンは9月25日、特定保健用食品(トクホ)の認定を受けたしょうゆ「まめちから 大豆ペプチドしょうゆ」を発売する。
トクホ認定のしょうゆは国内初で、一般のしょうゆを使った場合よりも血圧の低下を働きかける作用があるとしている。4ml入り小袋60セット(計240ml)で、希望小売価格は3675円。同社の通販限定で取り扱う。
同社によると、しょうゆの醸造過程で生まれる大豆ペプチドに血圧を下げる効果があることに着目し、約10年かけて商品化した。
この新聞報道はあまりにmisleadingです。ナトリウムが入っている限り、醤油の摂取は血圧を上げるはずです。と思って「食品安全委員会新開発食品専門調査会」が2012年1月に出した「まめちから 大豆ペプチドしょうゆ」の「特定保健用食品評価書」をみてみました(評価書をみる)。
評価書のどこにも、「まめちから 大豆ペプチドしょうゆ」に「血圧の低下を働きかける作用がある」とは書かれていません。コントロールに用いた普通の減塩醤油との血圧に対する差も記載されていません。そう思って評価書をみると、「まめちから 大豆ペプチドしょうゆ」に認められている表現は「血圧が気になる方に適する」です。「血圧の低下を働きかける作用がある」というのは、記者が勝手に思い込んであるいは騙されて書いただけでしょう。ひどい話です。
この大豆ペプチド(グリチルチロシンとセリルチロシン)にはACE阻害作用があるそうですが、評価書によると空咳をひき起こさなかったそうですので、その阻害効果は極めて弱いと思われます。ただの減塩醤油と同じ効果しかないものをわずかな降圧作用をもつというペプチドを加えて240mlを3675円で売るとはすごい商売ですね。
コメント
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楽しく拝見しております。
そもそも「血圧の低下を働きかける作用がある」という表現は、薬事法に抵触しないのでしょうか?疑問です。
このような報道がなくなることを切に願っております。