新型コロナウイルスに感染した医療従事者の3割は未診断―国立国際医療研究センターでの調査
以下は、記事の抜粋です。
国立国際医療研究センターの職員を対象とする血清疫学調査の結果、2022年12月時点で4割近くの職員がこれまでに新型コロナウイルスに感染しており、その3割は未診断、すなわち感染に気付いていないことが明らかになった。同センターの溝上哲也氏らの研究による。
国内の感染症治療の基幹病院である同センターは、COVID-19パンデミック発生以来、職員の抗体陽性率を定期的に調査してきている。その調査には毎回、職員のほぼ80%が参加しており、悉皆性の高いデータを得られている。
この調査では、自己申告に基づき院内レジストリと照合して確認されたCOVID-19の診断歴がある場合と、ロシュ社またはアボット社の定性試薬を用いて測定した血中のヌクレオカプシドタンパク質に対する抗体(N抗体)が陽性の場合のいずれかに該当する場合を、「新型コロナウイルス感染歴あり」と定義している。その定義による累積感染率は、2021年6月時点では2.0%だったが、デルタ株が優勢になった後の2021年12月では5.3%に増加した。2022年1月からのオミクロン株による流行拡大を受け、累積感染率は3月には8.7%、6月には16.9%に達した。
オミクロン株はその後も少しずつ変異を繰り返していたが、同年(昨年)夏にはオミクロンBA.5が大流行し、患者数の急拡大を招いた。そして、同年12月の最新の調査では、同センター職員の累積感染率は39.0%と、ほぼ4割となった。また、新型コロナウイルスの感染歴ありとされた職員の約3割(29.7%)が、自分自身が感染していたことを自覚していなかった。
職種別に見た場合、オミクロン株出現以前は、特に感染率の高い職種は特定されていなかった。しかしオミクロン株出現以降は、若年の職員、事務職より医師や看護師、感染リスクが高い部門に勤務する職員で、感染率が高くなる傾向が認められた。
元論文のタイトルは、「バリアントの出現後、東京の医療研究センターのスタッフの間で累積的かつ診断されていないSARS-CoV-2感染。」です(論文をみる)。
医療従事者でさえ3割が自身の感染に気付かなかったということは、味覚障害や発熱などの症状がほとんどなかったのだろうと思います。オミクロン流行時に診た患者さんの中には、発熱もなく、のどが少しいがらっぽいだけなのに抗原検査でバリバリに陽性という人がいました。非医療従事者の場合の未診断は5割を超えているのでは?とか、実際には公表されている感染者の2倍ぐらいは、感染者がいてウロウロしているのでは?などと考えました。
私もN抗体陽性だと思います。
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